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「ストーリー」通りのゲームプラン。“公立の雄”大津がベスト16へ

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大津高はU-18日本代表MF水野雄太の突破から先制点。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.8 総体2回戦 大津高 3-0 前橋育英高 鈴鹿]

 大津高は前日の1回戦・初芝橋本高(和歌山)戦が大雨の影響によって3時間遅れでスタート。なんとか1-0で突破したが、シード校・前橋育英高(群馬)との2回戦の開始時間は変わらない。相手が今大会初戦ということもあって、コンディション面での不利はあったが、選手権優勝校との注目対決を3-0で勝ちきった。

 前半10分にU-18日本代表MF水野雄太(3年)が「あそこくらいしか仕事するところがない」と緩急をつけたドリブルで左サイドを突破。そして、左足で上げたクロスをMF樋口堅大(2年)が頭で合わせて先制点を奪う。

 この日は「SBを止めるとビルドアップが止まる」(平岡和徳総監督)というスカウティングから、普段よりもロングボールを多用。相手のSBの位置を押し下げて、攻撃の起点を低くすることに成功した。

「ストーリーのひとつがハマった」(平岡総監督)という大津は、CB福島隼斗主将(3年)とU-18日本代表CB吉村仁志(3年)を中心に、各選手の献身的な守備で相手の反撃を凌ぐと、後半27分の“切り札”FW大崎舜(3年)投入で試合を決めに行く。その狙い通り、終了間際に大崎や交代出場FW濃野公人(2年)の仕掛けからFW大竹悠聖(3年)とMF高見柊真(3年)が加点して3-0で快勝した。

 攻守にタレントを有し、優勝候補の一角に挙げられる大津だが、現在の3年生にとって全国大会出場は今回のインターハイが初めて。水野は「昨日はガチガチでだいぶ緊張ほぐれてきた」と明かす。大一番を制し、公立校で唯一のベスト16進出。勢いづくには十分の勝利をきっかけに、“公立の雄”大津が日本一まで突っ走る。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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