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「勝ち急がない」関東一が初戦突破、米子北を破る

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関東一高FW池田健太は2点目を演出。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.8 総体2回戦 米子北高 1-2 関東一高 上野]

 リーグ戦より20分も短い夏の日本一決定戦をどう乗り切るか。関東一高(東京1)の答えは「勝ち急がない」だった。平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」(インターハイ)サッカー競技(三重)は8日に2回戦を行い、関東一は2-1で米子北高(鳥取)を下した。

 関東一は、所属する東京都1部リーグで最下位と苦戦中。しかし、全国大会では違う流れを生み出そうとしている。小野貴裕監督は「最近は東京都のリーグで結果が出なくて(最下位)、勝ち急いでしまっているから、今のままだと、上手くならないし、結果にもつながらない。だから選手には謝りましたし、(点数が取れないことや負けることを)怖がらずにやって良いと伝えました」と話した。インターハイは、35分ハーフ。リーグ戦よりも前後半が10分ずつ少なく、延長戦なしでPK戦に突入するため、多くのチームは早めに点を取りたいと考えるものだ。

 しかし、あえてスロースタートを切った関東一は、相手の勢いに飲まれる最悪の展開を回避。警戒していた米子北の左MF原田海(2年)の侵入を防ぎつつ、ボールを回して攻める本来のスタイルに落ち着いていった。堅守速攻の米子北は、相手の守備ラインの狭間や裏を狙ってボールを送ったが、関東一は3バックが跳ね返した。そして、前半27分にMF小関陽星(3年)が縦のワンツーから左足でループ気味の弾道のシュートをたたき込んで先制した。

 米子北は、ロングパスによる抜け出し、こぼれ球からの二次攻撃を仕掛けようとしていた。だが、MF佐野海舟(3年)は「初戦は、うまくハマった感じだったが、今日は相手にハメられた感じだった。自分たちの攻撃の狙い所で跳ね返されているのに、同じ所を狙い過ぎてリスク管理ができていないときに点を取られた」と相手に守備からリズムを作られた展開を悔しがる。

 関東一は、そのまま押し気味にゲームを進めると、後半10分にはFW池田健太(3年)の浮き球のパスに抜け出したFW安原宝(3年)が相手GKを誘い出してループシュート。追加点を奪った。後半も快足アタッカーの貝瀬敦(2年)の投入で攻撃を加速させ、30分には左サイドを突破した貝瀬から小関、ボランチの田中大生(2年)が続けざまにシュートを狙う場面を作り出した。米子北は、選手交代でマークを変えるなど工夫を見せ、アディショナルタイムにはDF横山凌雅(1年)のFKのこぼれ球をFW中田来輝(1年)が押し込んで1点を返したが、試合は2-1で関東一が勝ち切った。関東一は、翌9日の3回戦で日章学園高(宮崎)と対戦する。

(取材・文 平野貴也)
●【特設】高校総体2018

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