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2年前同様の勝ち上がりと、異なる強さで8強入り。昌平は頂点まで上り詰めるか

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後半14分、昌平高はCB関根浩平主将が同点ヘッド。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.9 総体3回戦 札幌大谷高 2-3 昌平高 鈴鹿]

 埼玉の新鋭、昌平高は0-2からの3ゴールで、V候補・青森山田高に4発逆転した2回戦に続いて2試合連続での逆転勝ち。初出場で4強入りした16年に続く準々決勝進出を決めた。

 14年度に選手権初出場を果たしていたものの、2年前のインターハイではまだまだ全国的な知名度が低かった。だが、同大会で3連覇を狙った東福岡高に逆転勝ちし、その後前橋商高、静岡学園高という伝統校との接戦を制して堂々の4強入り。一躍名を上げた昌平は同年にMF針谷岳晃(現磐田)、MF松本泰志(現広島)という2人のJリーガーを輩出し、昨年も現大宮のFW佐相壱明を擁して埼玉5冠、夏冬連続で全国出場を果たした。今や、全国のライバルからも強豪校の一つとして見られている。

 今大会は2年前と同じように初戦で大勝(6-1高知中央高)し、2回戦でV候補との大熱戦を逆転勝ち。2年前から主軸のCB関根浩平主将(3年)は札幌大谷高(北海道)との3回戦で苦戦することを予想していたという。「2年前と少し似ていて、初戦でたくさん取れて、2回戦で格上を倒して……、自分は試合前に絶対に苦しい試合になると思っていた」。0-2から4点を奪い返した青森山田戦の疲労が残っていると感じていた。

 試合は警戒していた通りの展開に。だが、0-2になってもチームは慌てなかった。2失点目から4分後の後半10分、MF原田虹輝(3年)の右CKから右SB吉田航(3年)が追撃ヘッドを決めると、その4分後には原田の左CKから「セットプレーは自分たちの武器。ここで決めたら格好良いかなと思っていきました」という関根がヘディングシュートをねじ込んで同点に追いついた。そして、攻め続けて迎えた後半30分にMF渋屋航平(3年)が決めて逆転勝ち。負傷交代する選手も出た中、FW大和海里(2年)ら交代出場組が活躍するなど層の厚さも示す勝利だった。

 勝ち上がりは2年前と似ているが、チームの底力は2年前と異なる。藤島崇之監督は県予選同様、全国大会でも対戦相手が自分たちを警戒してウィークポイントを突き、ストロングポイントを消しに来ている印象を口にしていた。それほど警戒されていなかった2年前との違い。加えて今回、針谷や松本のような存在はいないが、強豪ひしめく埼玉で相手の警戒を乗り越える経験を重ねている彼らは、より高いレベルで警戒を上回る力、勢いも大だった2年前とはまた違う強さを身に着けている。

 藤島監督は「自分たちで評価できるようにならないといけない」。悪かったところだけを指摘し合うのではなく、良かったところを評価して次に繋げる。前向きに積み重ねてきた部分、メンタリティーも武器に自分たちのやるべきことを表現して勝利を目指す。

 準々決勝の対戦相手は、年代別日本代表を複数擁すなど前評判の高い大津高(熊本)。指揮官は「上を目指す上で(強豪との戦いは)避けられない。自分たちのベストを尽くしたい」と語り、2年前に優勝校・市立船橋高(千葉)に準決勝で敗れた経験をしている関根は「(この先)格上と当たると思う。自分は(市立船橋戦を)経験しているので周りに声かけて、青森山田戦以上のプレーをしなければいけない」と引き締めた。もちろん、まだまだ安定しない部分も多い。だが、選手層の厚みが増し、優勝する資格あるチームの一つに成長している昌平は、自分たちの力を信じ、その100パーセントで一戦一戦を戦う。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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