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2桁得点まであとひとつも淡々と…仙台FW西村が秘める“1試合1得点”の自信

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日本人2位タイとなる9ゴール目をマークしたFW西村拓真

[8.11 J1第21節 柏0-2仙台 三協F柏]

 鮮やかすぎるカウンターによる一撃だった。自陣深い位置でボールを奪ったベガルタ仙台は、MF蜂須賀孝治がセンターサークル付近にいたFW西村拓真につける。ファーストタッチで前を向いた西村は、2タッチ目で柏最終ラインの裏に浮いたボールを送る。DFパク・ジョンスと入れ替わった西村は、そのまま50m以上をドリブルで駆け上がると、並走したFW阿部拓馬へのパスではなくシュートを選択する。「無心になることを意識した」。強烈な右足のシュートは、追いかけてきた柏DFに当たりながらもゴールネットを豪快に揺らした。

 富山一高2年次に選手権制覇を成し遂げた西村はプロ4年目で、過去3シーズンでのリーグ戦得点は「3」。それが今季はすでに9得点を挙げている。「今シーズン、ゴール前での落ち着きが飛躍的に向上した。(柏戦での得点は)たやすいゴールではない」と渡邉晋監督はその成長ぶりに目を細めた。

 前節まで3試合連続で先発していた西村だったが、この日はベンチスタート。「西村どうこうではなく、今日は阿部(拓馬)を使うべきという判断」と指揮官は夏の連戦を見据えた起用プランがあったことを明かした。「守備から入れ」という指示を受けて1点リードの後半26分、西村はピッチに送り込まれると、その9分後にはダメ押しとなる2点目をゲット。41分には再び決定機を迎えたが、3点目を奪うことはできなかった。「ああいうところで決めないと、チームを苦しめることになる」と西村は猛省すると、指揮官も「もっとチームを助けるゴールを期待したい」と檄を飛ばした。

 柏戦のゴールで昨季得点王のFW小林悠(川崎F)らと並んで得点ランキング5位タイに浮上。ストライカーとしてひとつの指標となる“2桁得点”まであと1得点となったが、当の西村は至って冷静だ。「特に2桁得点を目指したわけではない」。淡々とそう答えるには、理由があった。「1試合1得点取れると思っている。いまはそれくらいの自信がある」。残るリーグ戦は13試合、21歳のストライカーはまだまだ得点を重ねていきそうだ。

(取材・文 奥山典幸)

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