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[MOM2594]山梨学院FW宮崎純真(3年)_甲斐の注目エース、イメージ通りの2発で逆転劇の主役に!

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後半28分、山梨学院高FW宮崎純真(10番)が決勝ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.11 総体準々決勝 山梨学院高 3-2 日章学園高 鈴鹿]

「絶対にオマエが獲って来い!」。1-2とされた直後の3分間のクーリングブレイク、山梨学院高FW宮崎純真(3年)は横森巧総監督から、そう檄を飛ばされたのだという。その言葉に見事に2ゴールで応えたエースが山梨学院を初の準決勝へ導いた。

 後半22分、山梨学院はGK市川隼(3年)からのロングフィードを交代出場のFW川野大成(2年)が競ると、ゴールを背にしてコントロールした宮崎が右へ持ち出しながら逆サイドを狙って右足シュート。これがGKの指先を抜けてゴールに突き刺さった。

 飛び上がってガッツポーズした宮崎はさらに28分、再び市川隼のロングキックに前線で反応。DFと入れ替わり、上手く前を向きながらボールを収めると、切り返しでDFを外して左足シュートを左上に突き刺した。

 これは練習を重ねてきた形だった。「左足のシュートは2年生の頃からずっと練習していて、ファーにも、ニア上にも打てるようにしていた。ニア上に入れる練習通りの形が出たので自信にもなったし、自分の成長も感じた試合でした」。今大会初戦、2回戦は同じようなシーンでファーサイドを狙って外していたが、この日はニア上に狙いを変更。そのシュートを決めてチームメートを大興奮させた。

 主将のCB西澤俊主将(3年)は「(宮崎の活躍で勝利する試合は)あんまり珍しくないので、アイツを信じるだけでした」と彼への信頼について口にする。この日、2度のビハインドを負った山梨学院だが、後半1分に宮崎のアシストからMF平松柚佑(2年)が決め、宮崎の2発で逆転勝ち。チームを救ったエースは、この活躍を前夜に予想していたのだという。「2点獲って勝ちそうだなというのがあった」。普段から翌日の試合へ向けてイメージしているという宮崎だが、前夜から持っていた2点決める感覚。それを実行する2発で逆転劇の主役になった。

 1年時に高校選抜候補に入っている宮崎だが、ケガもあり、昨年は悔しい1年に。中学時代から知っている選手たちが全国大会で活躍し、年代別日本代表へ入って行く姿に悔しさを抱いていた。今年はFC多摩ジュニアユース時代のチームメートである流通経済大柏高CB関川郁万主将(3年)の鹿島入りが内定。「自分もちろん年代別狙っていますし、郁万とかプロを決めていて自分も負けていられないという気持ちが強い」という宮崎は、今回のインターハイで全国区の強敵を苦しめるパフォーマンスを見せ、結果を残している。

「こういう大会で数字残したり、勝ち進めば注目もしてもらえると思う。注目勝ち取ってもっとアピールしたいです」と宮崎。この日、同会場の第1試合で5-0と快勝した桐光学園高にはFC多摩ジュニアユース時代のチームメートであるCB望月駿介(3年)とCB内田拓寿(3年)、MF阿部龍聖(3年)がいた。「『純真、点獲って勝てよ』、みたいに言ってきて、余裕かましていた(笑)。次、お互いに勝てば決勝で当たる。プリンスリーグで負けているのでリベンジして優勝したいです」。自分自身のアピール、旧友との決勝対決・・・…エースは色々なモチベーションを持って戦う残り2試合で活躍し、山梨学院にタイトルをもたらす。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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