beacon

「3年生と最後の夏」。先輩たちのために戦う山梨学院MF平松が同点ゴールで歓喜の咆哮

このエントリーをはてなブックマークに追加

後半開始直後、山梨学院高MF平松柚佑が同点ゴール。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.11 総体準々決勝 山梨学院高 3-2 日章学園高 鈴鹿]

 会心のゴールを決めた丸刈りのボランチは飛び上がって「吼えた」。後半開始50秒、山梨学院高はカウンターからFW宮崎純真(3年)が右サイドへ抜け出す。そして出したクロスに走り込んだMF平松柚佑(2年)が、右足ダイレクトでシュートをゴールに突き刺した。

「いかに、(宮崎)純真くんを孤立させずにサポートできるかだと思っていた」という平松。前半はなかなかエースをサポートすることができていなかったが、このシーンでは反応速くスプリントしてボールを引き出し、「気持ち良かったです」というゴールを決めた。

 1年時から中盤での潰し役として存在感を放っている肉体派のボランチ。今大会は守備的MF市川大葵(3年)とボランチのコンビを組んでいることで前目の位置に入っている。そのディフェンス力の高さによって奪われたボールを前目の位置ですぐに奪い返すことができること、また力強い動きで攻撃に絡むことが強み。今大会の3回戦(対高川学園高)では守備面、そしてこの日は攻撃面で、新たな持ち場での役割を発揮している。
 
 憧れは「ブラジル代表のカゼミーロ。中盤で相手のキーマンを潰せる選手になりたい。もっと頭使って無駄な動きをなくしたい」という平松。鹿島アントラーズつくばジュニアユース時代の最高成績は全国ベスト8だったが、この日の勝利でその記録を更新した。

 ただし、頭の中にあるのは自身の記録よりも3年生のためにという思い。「まず3年生と最後の夏なので、しっかりと頂点目指して、気を緩めずに次の東山と戦いたい」という2年生MFが、魂のゴールで吼えた準々決勝に続いて、準決勝でも身体を張って勝利に貢献する。
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

TOP