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[MOM2595]山梨学院GK市川隼(3年)_駆け引き楽しむ守護神、PK戦で3本ストップ!

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山梨学院高はGK市川隼がPK戦で3本ストップ。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[8.12 総体準決勝 山梨学院高 1-1(PK3-1)東山高 四日市]

 山梨学院高はGK市川隼(3年)が圧巻のPK3本セーブ! 守護神の大活躍によって日本一に王手を懸けた。

 試合終了間際の決定機を活かせずに試合はPK戦に突入。ただし、山梨学院のゴールを守る市川隼は、「自分の中ではPK戦になったら止める自信があったので止めてやろうと」考えていたのだという。その通りにいきなり先攻・東山高の1人目を左へ跳んでストップ。直後にチームメートが相手GKに止められたものの、市川隼は東山の2人目を左へ跳んで止め返す。

 読みとはやや違うコースだったが、最後までボールを見て我慢して跳んだことで上手く反応して身体に当てた2本。だが、3本目は完璧に相手4人目との心理戦を制して止めて見せた。

「(相手キッカーが)目線で誘っているところがあった。その逆を突いてやろうと思って跳んだのが当たった」と市川隼。「(PK戦は)中学の時から強いと言っていた」(FW宮崎純真、3年)という守護神が、自信を持っていたPK戦で4本中3本を止めて主役になった。

 市川隼にとってPK戦が好きな理由は、駆け引きのところにあるのだという。「駆け引きが好きで駆け引きを楽しみながらやっています。相手の逆を突いてやろうとか、逆を突いて止めたら嬉しいという気持ちがある」。普段、トランプゲームをしても常に相手の裏をかくことを考えているというGKは、全国決勝を懸けた「頭脳戦」で駆け引きを楽しみ、PK戦3-0で勝った高川学園高(山口)戦に続くPK戦勝利を引き寄せた。

 今大会は安定したキャッチングと飛距離十分のパントキックなどで存在感。準々決勝ではそのキックで宮崎の同点ゴールと勝ち越しゴールを演出して勝利に貢献したが、この日はPKストッパーとしての力も見せつけた。日本一まであと1勝。例えもつれた試合になっても、PK戦で絶対的な自信を持つ“頭脳派”GKが駆け引きで相手を上回って全国タイトルをもたらす。 
 
(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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