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平成最後のインハイは、山梨学院が延長V!!

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山梨学院高が初優勝。FW宮崎純真(右)は同点ゴールに加えて決勝点を演出。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.13 総体決勝 桐光学園高 1-2(延長)山梨学院高 鈴鹿]

 山梨学院が初のインハイ制覇! 平成30年度全国高校総体「2018彩る感動 東海総体」(インターハイ)サッカー競技は13日、三重県鈴鹿市の三重交通G スポーツの杜 鈴鹿(メイン)で決勝戦を行い、ともに初優勝を懸けた桐光学園高(神奈川2)と山梨学院高(山梨)が激突。前半20分にU-16日本代表のエースFW西川潤(2年)のゴールで先制した桐光学園に対し、山梨学院は後半アディショナルタイムにエースFW宮崎純真(3年)が決めて同点に追いつく。その山梨学院が延長前半にオウンゴールで勝ち越し、2-1で逆転勝利。初優勝を飾った。

 09年度の選手権で初出場初優勝の快挙を成し遂げている山梨学院が、初となるインターハイ制覇だ。これまでの最高成績はベスト16だったが、2回戦でV候補の市立船橋高(千葉2)を撃破するなど躍進。決勝では後半アディショナルタイムに劇的な同点ゴールを決め、延長戦の決勝点で頂点に立った。

 12年の三浦学苑高以来となる神奈川県勢の優勝に王手を懸けていた桐光学園は4-4-2システム。GKは北村公平(1年)で4バックは右SB岡孝樹(3年)、CB内田拓寿(3年)、CB望月駿介主将(3年)、左SB金子開研(3年)。中盤は国谷敦史(3年)と中村洸太(2年)のダブルボランチで右SH阿部龍聖(3年)、左SH佐々木ムライヨセフ(2年)、そして2トップは今大会5得点のU-16日本代表FW西川とFW敷野智大(3年)がコンビを組んだ。

 一方、優勝すれば、山梨県勢では75年の韮崎高以来、43年ぶりとなる山梨学院も4-4-2システム。GKはPK戦となった準決勝で3本をストップした市川隼(3年)で4バックは右SB保坂紘生(3年)、CB大石悠介(3年)、CB西澤俊主将(3年)、左SB山土井拓海(3年)。中盤は市川大葵(3年)と平松柚佑(2年)のダブルボランチで右SH関口翼(2年)、左SH野村海(3年)、そして2トップは今大会4得点の宮崎と185cmFW安田正太郎(3年)が並んだ。

 立ち上がりからFC多摩ジュニアユース時代のチームメート同士のマッチアップが実現。山梨学院・宮崎の仕掛けを桐光学園の内田、望月がストップする。互いに前線、サイドへシンプルにボールを動かしてそこからアタック。より正確にボールを動かしていた桐光学園がペースを握って試合を進める。

 そしてクーリングブレイク明けの前半20分、桐光学園が先制点を奪う。右スローインからハイサイドへ抜け出した中村が右足クロス。これをファーサイドの西川が滞空時間の長いヘッドで合わせると、ボールはGKの手をかすめてゴール右隅へ吸い込まれた。

 失点した山梨学院もすぐに反撃。24分には右FKから最後は関口が左足でフィニッシュ。28分には縦パスへの対応が一瞬遅れた桐光学園守備陣の隙を突いた宮崎がシュートに持ち込んだ。

 桐光学園は32分に西川の巧みなキープを起点とした攻撃から中村が右足シュート。35分には阿部のスルーパスに西川が反応した。ただし、大石が力強い当たりを見せるなど、存在感十分の西川からボールも奪う山梨学院は、エース宮崎がマークを振り切って決定機を演出。右SB保坂らの後方から追い越していく動きや野村の多彩なキックも活用して攻め返す。

 37分には中盤から飛び出す平松がカウンターと左スローインから立て続けに決定機を迎えたが、惜しくも決めることができず。だが、山梨学院は後半立ち上がりにも宮崎のドリブルシュートやクロスで会場を沸かせる。

 山梨学院は後半7分に関口に代えてMF米野智大(2年)、11分には安田に代えてFW川野大成(2年)を送り出した。セカンドボールを拾って、攻撃回数を増やす山梨学院に対し、桐光学園はゴール前で最後に足を伸ばし、身体を張ってボールをクリアするなど堅守を維持。25分には佐々木に代えてMF田中彰真(3年)をピッチに送り出し、中盤中央の枚数を増やした。

 互いに気迫をぶつけ合う終盤、山梨学院は宮崎が自ら獲得したFKを右足で狙うが枠上。金子や岡のインターセプトやPAでのしぶとい守りなど相手の攻撃を良く跳ね返していた桐光学園は西川がカウンターから一人でCKを獲得したり、金子がシュートへ持ち込むなど相手を押し返していた。

 アディショナルタイム表示は8分。山梨学院は諦めずに攻める。40分、桐光学園はカウンターから西川が鮮やかにDFをかわして左足シュートを放つが、再三の好セーブを見せていた山梨学院GK市川隼がここでもシュートをブロックする。

 すると、山梨学院はここから一気にカウンター攻撃。前線へポジションを上げていた大石が強引に右サイドを突破する。そして深い位置まで持ち込んで出した折り返しを中央の川野がスルー。最後は宮崎が右足シュートをゴール左隅にねじ込んだ。アディショナルタイムの同点劇に歓喜を爆発させる山梨学院。試合は前後半計20分間の延長戦に突入した。

 延長前半5分、山梨学院は左サイドの深い位置から仕掛けた宮崎が中へ切れ込みながらクロス。これに川野が飛び込むと、手前のDFに当たったボールがゴールネットを揺らした。逆転した山梨学院は7分、野村に代えてMF高橋朝日(2年)を投入。桐光学園も中村に代えて188cmFW鷲塚蓮(3年)をピッチに送り出した。

 桐光学園は延長後半5分、敷野に代えてMF栗原祥太(1年)を投入する。セットプレーやクロスから同点ゴールを目指すが、山梨学院の守りは非常に堅い。終了間際に桐光学園・内田が決定機を迎えるもシュートは枠の上。全員で1点リードを守り切った山梨学院が初優勝を果たした。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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