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目標とする高校生ボランチのレベルへ。山梨学院の2年生MF平松はセカンドボール回収にこだわる

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山梨学院高MF平松柚佑がボールを奪い取る。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.13 総体決勝 桐光学園高 1-2(延長)山梨学院高 鈴鹿]

 表彰式、スタンドのチームメートへの挨拶を終えた山梨学院高MF平松柚佑(2年)の声はかすれていた。2年生ボランチはどの試合でも必死の形相で大声を張り上げ、チームを引き締める。この日目指していた、決勝戦で勝利を決定づける活躍はできなかったかもしれない。それでも、「声は絶やさずに出せたので、そこは良かったと思っています」と胸を張った。

 前目のボランチを務める平松はプレーエリア広く走り回った。ピッチの至るところに顔を出し、攻撃に絡んでセカンドボールを拾う。活動量多かった平松は前半37分にカウンターから味方をサポートして決定機を迎え、直後には左スローインから決定的な左足シュート。「(普段以上の動きに映ったのは)決勝だったので。狙っていましたね。やっぱ、エース(FW宮崎純真、3年)にもって行かれましたけれど(笑)」。チャンスはあったが惜しくも決めきれず、チームを救うゴールをもたらしたのはエースの宮崎だった。

 2年生だが、チームのために身体を投げ出して戦う勇気、姿勢は特別。安部一雄監督も「大したもの」と認めるほどだ。今回のインターハイでは大会優秀選手にも選出。球際の攻防や攻守の切り替えの部分など目立つプレーをしている平松だが、本人は目標とする存在のレベルに達していないと首を振る。

 彼が目標とする選手は、昨年度の選手権1回戦で対戦した米子北高のMF佐野海舟(現3年)だ。「あのセカンドボールの回収率があれば」という注目ボランチ・佐野のプレーを今大会でも確認。そして「あの人(佐野)はこんなにチームに守備させないですね。(セカンドボールを)拾って攻撃させているんで、こだわっていきたいです」と改めてセカンドボールの回収にこだわっていくことを誓った。
 
 2年生で優勝を経験。3年生の新たな勝利のために、セカンドボールの回収、スルーパス、サイドチェンジなどもっとプレーの質を上げたいと考えている。目標とする存在との距離を少しでも詰めて冬へ。貪欲な2年生はより高い意識を持って声を張り上げ、チームのために走り、戦う。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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