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自制していた武器を決勝で解き放った山梨学院右SB保坂、劇的同点弾にも絡む

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決勝戦で持ち味の豊富なアップダウンを発揮した山梨学院高の右SB保坂紘生。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[8.13 総体決勝 桐光学園高 1-2(延長)山梨学院高 鈴鹿]

 自制していた武器を決勝の舞台で解き放った。山梨学院高の右SB保坂紘生(3年)は2回戦から準決勝までフル出場。右サイドでの激しいアップダウンを持ち味とするプレーヤーだが、準決勝まではリスクを負わず、守備に重きを置いて戦ってきた。

 ただし、決勝では「自分の長所は上下の運動なので、決勝ではガンガン前に出てチャンスにつなげようと思った」。実際に前半から印象的だったのが、右サイドの保坂が前方の選手を繰り返し追い越して行く動き。前半20分に失点したこともあっただろうが、彼の積極的なオーバーラップはチームに推進力をもたらしていた。

 その運動量は後半アディショナルタイムの同点ゴールにも繋がった。山梨学院はカウンターからピンチを迎えたが、GK市川隼(3年)がファインセーブ。ハーフウェーラインから自陣PAまで駆け戻っていた保坂は、こぼれ球にダッシュで追いつくとダイレクトで前線へボールを蹴り出す。ここから劇的な同点ゴールが生まれた。

 優勝の瞬間について、「最初、優勝した時は実感なかったというか、自分がここに立っていることにびっくりしていた気持ちだった」という。だが、チームメートたちとの抱擁を繰り返すうちに日本一を達成したことを実感。今後へ向けては「今大会は自分の中で成長したなという大会だったので、もっと努力してさらに上を目指せるように頑張っていきたいと思っています」と新たな誓いを立てていた。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校総体2018

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