[8.13 総体決勝 桐光学園高 1-2(延長)山梨学院高 鈴鹿]

　“優勝ゴール”は目の前で決まった。延長前半5分、山梨学院高は左サイドから中央へ仕掛けたFW宮崎純真(2年)が縦へ持ち込んでクロス。これに交代出場のFW川野大成(2年)が飛び込むと、ボールは目の前のDFに当たってゴールに吸い込まれた。

「(宮崎)純真くんが相当速いクロスを上げてくると思ったので、潰れるか、身体に当ててでも入れようと思った。それがたまたま相手だったので良かったです。(本音は) 自分の身体に当たって欲しかった(微笑)」と川野。それでも、2年生FWが危険な位置に入り込んだことが決勝点をもたらした。

　川野は前原高との初戦で1ゴール。準々決勝の日章学園高戦ではGK市川隼(3年)のドロップキックに前線の川野が競ったことで宮崎の同点ゴールと決勝ゴールが生まれた。そして決勝戦では0-1の後半アディショナルタイム、CB大石悠介(3年)の折り返しを引き出した川野が宮崎の「スルー!」の声通りにスルー。後方から走り込んだ宮崎が右足で決めて劇的な同点ゴールとなった。

　“優勝ゴール”含めて得点シーンに幾度も絡んでいた川野は次のステップへ。「選手権では最後、(同点ゴールを決めた宮崎)純真くんみたいな、『あれ』を自分が決められるように。ピンチの時に自分が決められるようになりたいです」。選手権でも貴重なゴールに絡み、今度は自分が決める。

(取材・文　吉田太郎)

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