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[SBSカップ]後半AT、2年生FW松永が華麗に同点弾!静岡ユースがPK戦でU-18パラグアイ代表撃破!

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PK戦勝利を喜ぶ静岡ユースGK青木心(右)とMF清水綾馬主将

[8.16 SBSカップ第1節 静岡ユース 1-1(PK9-8)U-18パラグアイ代表 藤枝総合]

 U-18日本代表、U-18パラグアイ代表、U-18オーストラリア代表、静岡ユース(U-18静岡県選抜)の4チームが総当たりのリーグ戦で優勝を争う「2018 SBSカップ国際ユースサッカー」が16日、静岡県藤枝市の藤枝総合運動公園サッカー場で開幕。開幕試合となった静岡ユース対U-18パラグアイ代表戦は、後半アディショナルタイムにFW松永颯太(清水桜が丘高)のゴールで追いついた静岡がPK戦の末、9-8で勝利した。

 静岡は7月末から8月にかけて開催された日本クラブユース選手権(U-18)大会で優勝した清水ユースのCB監物拓歩とFW齊藤聖七、MF佐野陸人や、主将のMF清水綾馬(静岡学園高)、藤枝東高の10番を背負ってインターハイに出場したMF坂本康汰らが先発。前半、静岡は最前線でボールを収める齊藤や佐野を起点に左SH水野颯太(常葉大橘高)の仕掛けなどからパラグアイゴールを目指す。

 静岡はラストパスをインターセプトされるなど、攻め切れないシーンが続いたが、「前半の給水までの20分間で失点しなかったのがゲームを作れた一番の要因」と渡邊勝己監督(清水東高)。その後も相手MFフリオ・バエス(セロ・ポルテーニョ)に中央突破される場面やクロスからのピンチもあったが、ボールを奪われた後に清水らがしつこくプレッシャーをかける静岡は、身体能力の高い右SB山田梨功(浜松開誠館高)や空中戦で強さを見せるCB平松航(磐田U-18)、監物が簡単にはシュートを打たせない。

 そして攻撃面でも良い形の崩しを増やした。バイタルエリアで前を向くことができていた静岡は27分、水野のスルーパスから左中間を抜け出した佐野が中央へ折り返す。これに右SH塩浜遼(静岡学園高)が走り込んだが、距離を詰めてきたGKに阻まれ、こぼれ球に反応した清水の右足シュートはDFにブロックされた。パラグアイのゴール前での集中力は特に高く、その守りは強固。静岡は41分にも右サイドを抜け出した塩浜のラストパスから佐野が決定機を迎えたが、再びシュートをブロックされた。

 後半立ち上がり、静岡は左SB菊地健太(JFAアカデミー福島U-18)のワンツーからの突破やクロスで決定機を作り出す。また、水野の縦突破が利いていた。対するパラグアイは後半21分に名古屋U-18所属のMF松岡ジョナタンを投入。直後の25分に右CKから左SBペドロ・アルバレス(セロ・ポルテーニョ)がヘディングシュートを決めて先制した。

「交代で入った選手はみんな特長のある選手」(渡邊監督)という静岡は積極的に交代カードを切る。縦突破に加え、ロングスローを連投するMF八木亮太(清水桜が丘高)や異質のボールコントロール、パスセンスを見せるMF神田凜星(静岡学園高)の交代出場組が反撃の中心に。そして、アディショナルタイム突入後の42分、前線からの落としを受けた神田が斜めにパスを入れると、これをスピードに乗ったまま受けたFW松永颯太(清水桜が丘高)が鮮やかなターンでDFラインを突破する。最後は、GKとの1対1から右足シュートを決めて土壇場で同点に追いついた。

 ボールボーイ、そしてチームメートからも「イニエスタみたい」の声。神戸MFイニエスタのJ初ゴールのような超絶ターンからのファインゴールで静岡はPK戦に持ち込んだ。PK戦、先攻の静岡は4人目が失敗したものの、この試合幾度かファインセーブを見せていたGK青木心(JFAアカデミー福島U-18)が直後に相手4人目のシュートをストップする。

 その後、静岡は5人目のMF鈴木大晟(常葉大橘高)から10人目の青木までが成功。最後はパラグアイMF松岡の右足シュートがクロスバーを叩き、静岡が勝利した。17日のU-18日本代表戦へ向けて、渡邊監督は「(静岡には)代表に呼ばれている選手も何人もいるので遜色はないのかなという気がしています。この勢いのまま代表にもいいゲームできるように頑張りたい」と語り、U-19代表歴を持つGK青木は「日本代表として出たかったというのも事実ですし、その悔しい思いを今日ある程度表現できたと思う。あと2試合、代表と遜色ないようなプレーをしたい」と意気込んでいた。代表入りへのアピール狙う静岡の才能たちが、パラグアイに続いてU-18日本代表も上回る。

(取材・文 吉田太郎)
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