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[SBSカップ]パラグアイとの激闘。勇敢に戦うも惜敗のU-18日本代表は紙一重の戦いを「制するチームと選手に」

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後半15分、U-18日本代表FW宮代大聖(川崎F U-18)が右足で同点ゴール

[8.19 SBSカップ第3節 U-18日本代表 1-2 U-18パラグアイ代表 草薙陸]

 19日、「2018 SBSカップ国際ユースサッカー」最終節が静岡市の草薙陸上競技場で開催され、勝ち点5で首位のU-18日本代表は同1差で2位のU-18パラグアイ代表と対戦。ゲームキャプテンのFW宮代大聖(川崎F U-18)が同点ゴールを決めたものの、1-2で敗れ、2位で大会を終えた。

 4日間で3試合目となった最終節はパラグアイとの“優勝決定戦”に。選手たちは世界を相手に力を振り絞って走り、バトルした。非常に勇敢に戦ったが、結果は惜敗。優勝カップもパラグアイに譲る結果となった。試合後、悔しがる選手たちに向けて影山雅永監督はより強くなることを求めたという。

「こういうゲームをモノにする。決めきる、守って守って隙を与えない。そういう戦いの中で結果を求めないといけない。今後最終予選もあるし、オマエらが戦えることは分かったから、もっともっと(このような)試合を制するチームと選手になっていこう」

 10月には1歳年上のU-19日本代表が、19年U-20ワールドカップ出場を懸けてAFC U-19選手権を戦う。今回SBSカップに招集されたU-18日本代表からも数人が食い込んでいく見込みだ。世界を懸けた戦い、そして世界で頂点を争う戦いもこの日のような「紙一重」の激闘になるはず。そこで惜しいではなく、勝ち切れるチームにならなければならない。選手たちは悔しすぎる敗戦からそれを再確認した。

 ここまで2戦2勝の日本はケガの影響で過去2試合を欠場していたCB三國ケネディエブス(青森山田高)とFW斉藤光毅(横浜FCユース)が今大会初出場。4-4-2システムのGKは小久保玲央ブライアン(柏U-18)で4バックは右SB菅原由勢(名古屋U-18)、CB石尾崚雅(C大阪U-18)、CB三國、左SB起海斗(興國高)。中盤は井川空(筑波大)と福岡慎平(京都U-18)のダブルボランチで右上月壮一郎(京都U-18)、左MF喜田陽(C大阪U-18)、2トップは宮代と斉藤がコンビを組んだ。

 前半、日本は横への揺さぶりからサイドで人数を掛けた崩し、そして素早いディフェンスを見せる。失ったボールをすぐに奪い返し、波状攻撃でパラグアイを押し込む時間帯もあった。得点機も作った日本は16分に斉藤とのコンビから菅原が決定的な右クロス。33分には右タッチライン際の菅原がDFのギャップへ斜めのパスを通し、これでエンドライン際までえぐった斉藤の折り返しを宮代が右足ダイレクトで狙う。

 さらに37分には、こぼれ球に走り込んだ福岡の強烈な左足シュートがゴールを襲った。個も特長を発揮していた日本は、斉藤が相手DFを外すドリブルからラストパスへ持ち込み、菅原が再三高い位置に顔を出して攻撃に絡む。後方の石尾や三國、小久保を中心に相手の速攻に対応しながら、先制点を目指していった。

 日本は後半開始から井川に代えて安島樹(大宮ユース)を投入。後半も日本が攻める時間を増やしていたが、13分にセットプレーから失点してしまう。右サイド後方からのFKを三國が打点の高いヘッドで弾くも、クリアボールを中央に繋がれてCBロベルト・フェルナンデス(グアラニ)に先制点を献上。だが、日本は2分後に同点に追いつく。

 右サイドから相手にプレッシャーをかけ、中へ仕掛けた斉藤が後方の菅原にパス。そして菅原が狙い済ましたような斜めのパスを入れると、ゴールエリアへ走り込んだ宮代がコントロールから右足アウトで同点ゴールを決めた。

 鮮やかなコンビネーションによるゴールで1-1。逆転を目指す日本は激しい攻防戦でファウルを受けても全く怯まない。福岡がDFを強引に振り払って前に飛び出し、喜田や宮代が身体を張った攻守。また、上月や斉藤がドリブルで仕掛け、起がキープ力を活かして攻撃に絡んでいたが、勝ち越し点を奪うことができない。20分、喜田のラストパスにフリーで走り込んだ上月が右足で狙うもGKに止められ、24分にドリブルでDFを振り切った斉藤の右足シュートもGKに阻まれた。

 切り替えの速い守備でパラグアイのカウンターを封じていた日本だったが、相手FW陣のスピードを止められずに自陣ゴール前まで押し返されるシーンも。そして34分、中盤で横パスを奪われた日本はショートカウンターからFWアニバル・ベガ(パルメイラス)に勝ち越し点を決められてしまう。

 再び同点を目指した日本は39分、左FKから三國がGKと競りながらヘッド。こぼれ球を上月が狙ったが、パラグアイは身体を張った守備でゴールを許さない。日本は後半ラストプレーの左FKでCB岸本駿朔(市立船橋高)を投入。福岡のキックに複数の選手がゴールへなだれ込んだが、わずかに触ることができず、直後に試合終了の笛が鳴った。

 18年U-18日本代表の活動はこれで終了。影山監督のいう「紙一重の戦い」「一瞬の判断の戦い」での敗戦をピッチで経験した選手、ピッチに加わることができずに悔しい思いをした選手もいる。このパラグアイ戦やSBSカップでの活動を通して感じた足りない部分をまたチームで磨いて、才能たちは次の目標に挑戦する。

(取材・文 吉田太郎)
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