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シュート数5対20の劣勢も…3ゴールを奪った仙台の『原則』と『対策』

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先制点が入って喜ぶベガルタ仙台の選手たち

[8.22 天皇杯4回戦 横浜FM2-3仙台 ニッパツ]

 天皇杯ベスト8への切符をつかんだベガルタ仙台だったが、試合内容は満足のいくものではなかった。シュート数は仙台の5本に対し、横浜F・マリノスは20本。渡邉晋監督は「内容は評価できるものではなかった」と苦い言葉を口にしていたが、大枠で見れば『劣勢をモノにした』で片付けられる一戦だった。

 だが、相手のウイークポイントを狙った攻撃が得点に結びついていたのも仙台のほうだった。前半16分と後半9分にそれぞれ決まったFW石原直樹の先制点と決勝点は、ともに急造とも言える横浜FMの3バックのギャップをうまく突いたもの。他の場面では闇雲にロングボールを蹴るようなシーンは少なかったため、明らかに狙いを持った攻撃であるように見えた。

 試合後会見ではその点を指揮官に問うと、「そもそも……」と答えが返ってきた。「相手がどこであれ、われわれの狙いはまさに1点目のナオ(石原)の飛び出しですね。ああいう場所にどのような角度で走って、どのようにボールを落とすかはずっとトレーニングしていました」。1点目の場面は横浜FM対策によるものではなく、チームの攻撃原則に組み込まれているものだったという。

「一貴かな、出したのは。素晴らしいボールでした。やっとああいうボールが一本でゴールに結びついた。我々にとって非常に大きなゴールでした。相手の背後が一発で取れるんだったら、それに越したことはない。100本つないでもシュートを1本も打てなければ一緒ですし、あれで点を取れるという成功体験を得たのはものすごく大きいです」。

 もっとも、そこには「加えて……」という言葉が続いた。「分析でもやはり、横浜FMさんのあそこが弱いというのは、この3人の組み合わせでなくても、新外国人選手のところは鹿島戦でも何度も出ていた。そこは映像でも見せて持っていました」。リーグ前節の鹿島戦ではDF畠中槙之輔ではなくDF栗原勇蔵が起用されていたが、同様のウイークポイントが露呈していたのも頭に入っていたようだ。

 また、3点目のニアへのクロスも横浜FMへの“対策”ではなく、チームの“基本原則”に忠実な判断が表れていたようだ。「ターゲットのマイク(FWハーフナー・マイク/途中交代)がいなくなれば、アーリーで入れて流し込むのは狙いとして当然ですし、もしかしたらサッカー界ではセオリーかもしれません。ボールを送った将太(MF古林将太)も良かったんじゃないですか」と適切な選択をした選手たちを称えていた。

(取材・文 竹内達也)
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