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「自分は大学生なので…」強い気持ち持つU-21代表FW上田綺世、悔しさ晴らす決勝PK弾!!

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決勝点となるPKを沈めるU-21日本代表FW上田綺世(法政大)

[8.24 アジア大会決勝T1回戦 U-21日本1-0マレーシア ブカシ]

 スコアは0-0。残された時間はわずかに2分だった。しかし、延長戦もちらつき始めた後半43分、U-21日本代表FW上田綺世(法政大)がストライカーとして、大仕事をやってのけた。

 中盤でボールを受けたMF松本泰志(広島)がドリブルで左サイドに持ち出すと、最前線で待ち構える上田は「(松本との)アイコンタクトもあったし、大きなスタジアムでは声が通らないので、大きな動きで味方に分かるようにと意識している」と右手で前方を指さしてパスを要求する。その動きを見逃さなかった松本からピンポイントのスルーパスが送られると、最終ライン裏に抜け出してPA内に侵入。後方から迫ったDFタンのファウルを誘ってPKを獲得した。

 自らキッカーを務めたPK。細かいステップから右足でボールを力強く蹴り出し、ゴールネットに突き刺して決勝点となるゴールを記録した。「PK好きなので。GKと駆け引きもありながら、自分が決めるか外すかだけ。それを蹴れることは嬉しいし、1点モノにできるのは自分の中で武器だと思っている」と強心臓ぶりを発揮してのゴールに胸を張った。

 今大会2試合に出場していたが、悔しい思いをしてきた。先発出場した初戦ネパール戦では幾度となく好機に顔を出し、6本ものシュートを放ちながらも、GKの好セーブもあって無得点。途中出場した第3戦ベトナム戦では後半45分にDF原輝綺(新潟)のスルーパスから完全に抜け出してGKまでかわすが、シュートをジャストミートさせることができずに同点ゴールを奪うことができなかった。

「グループリーグで自分は多くのシュートを打ち、チャンスも作っていたけど、点を取れなかった。自分の中では悔しい思いをしていて、この試合は自分の出番が来たら絶対に決めてやるという思いがあった」

 有言実行の今大会初ゴール。自らの手でチームをベスト8へと導いた。「自分は大学生なので、プロに負けたくない気持ちもあるし、こういった経験が大事。絶対に何かを持ち帰ろうと強い気持ちで毎回臨んでいるので、この試合でまた一つ自分が成長できたと思う。ベスト8に行けて、また試合ができるのは、自分が成長する場が増えたということ。すごくうれしい」と充実した表情を浮かべた。

(取材・文 折戸岳彦)
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