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「ブロックを組んでいればやられない」 しかし…仙台・渡邉監督が語った『次なる課題』

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効果的な守備を見せていたベガルタ仙台MF富田晋伍

[8.25 J1第24節 川崎F 1-0 仙台 等々力]

 不用意なミスから喫した失点が響き、0-1で敗れたベガルタ仙台だったが、昨季王者の川崎フロンターレに思いどおりの攻撃は許さなかった。渡邉晋監督は試合後会見で、ブロックを敷いた守備への手応えを口にしつつ、チームがもう一段階上に行くための心構えを示した。

 首位を猛追している川崎FとのJ1第24節。厳しい夏場での公式戦5連戦5連勝を懸けてアウェーの地に乗り込んだが、結果は求めていたものとはならなかった。MF富田晋伍を中心に中盤より前の5枚で相手を囲い込み、ビルドアップを寸断するという策はたしかに効力を発揮。しかし、決定的なミスで招いた失点を取り返せぬまま0-1で試合を終えた。

 ここで気になるのはこの日のゲームプラン。前線2枚に単独突破力のあるFW西村拓真とFWジャーメイン良を置いていたこと、また高温多湿下のゲームだったことを考慮すると、我慢の前半を過ごしたことは必ずしもネガティブな選択ではない。そこで、ミス以外の場面に関しては“よく守れていた”と総括できるものなのかどうかだ。

 中盤の守備の手応えを指揮官に問うと、以下のような答えが返ってきた。「おっしゃるようにやられてはいない。ただし理想を言えば、もっと高い位置でボールを取りたかった。そのための布陣であったし、そのための選手選考だったので、それができなかったのが少し残念」。最終ラインを主戦場とするMF椎橋慧也をインサイドハーフで起用したように、もう少し前でのボール奪取から攻撃につなげたい思いがあったようだ。

 前目の位置でのインターセプトがままならなかった理由としては「連戦、気候の部分でエネルギーを出し切れなかった」ことだ。川崎Fが3日前の天皇杯4回戦から先発全員を代えたのに対し、仙台はDF大岩一貴とジャーメインの2人が連続スタメン。「フレッシュな人間をより多く使いたい」という陣容こそ組んだものの、技術的な差をコンディションで埋めることはできなかった。

「ポストに当たったシュートは2本あったけれども、セカンドボールが相手に渡ったり、我々がボールを奪って出て行こうとしたときに、逆にカウンターを食らったりというところで、我々がしっかりブロックを組んでいればそうそうやられないということは、川崎Fさん相手にも示せた」。

 そんな言葉に表れているように、ブロックを敷いた状態での守備には手応えを感じている様子。だが、そこからは「最低でも勝ち点1を取れた」(渡邉監督)という結果をつかみ取るための戦いとなる。「ボールを奪った先にミスが多いので、そこを高めていかないといけない」と守備から攻撃への切り替えに課題を見いだす指揮官は「守備がオーケーだったから良い、とは片付けられない。そこをリンクさせるように高めていきたい」と前を見据えた。

(取材・文 竹内達也)
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