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突然のサイドバック起用を完遂…横浜FM喜田拓也が明かした仲間、クラブへの想い

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大半の時間を左サイドバックでプレーしたMF喜田拓也

[9.1 J1第25節 横浜FM3-1柏 日産ス]

 不動のレギュラーの負傷により、スクランブル的に行われた配置転換。横浜F・マリノスMF喜田拓也は持ち前の戦術眼を生かし、緊急事態を沈静化させることに成功した。

 前半27分、左サイドバックで全試合に出場しているDF山中亮輔が左ハムストリングを負傷。ベンチに本職選手は入っておらず、ここ4試合で採用していた3バックに戻すという手もあったが、2列目の位置で先発していた喜田にお鉢が回ってきた。

「急に左サイドバックに入ってくれということだった。もちろんやったことはなかったけど、アクシデントはサッカーをやっていればあること。仲間を助けることができるのがチームスポーツの面白さですから」。

 立派な台詞を口にした喜田は、続けて途中退場を強いられた山中の心中を慮った。「悔しいと思うし、ましてや古巣ですからね。気持ちも入っていたと思う。そう思うと、相手を抑えて勝ってやろうという、せめてもの結果だけでもと思っていた」。

 SBとして対峙したのは日本代表FW伊東純也。「素晴らしい能力を持つ選手」(伊東)に対し、立て続けに鋭い突破を食らったが、この男はただでは転ばない。「前半はある程度つかんで、後半はボールが入る前に勝負しようと思った」と柔軟な応対を見せたのだ。

 試合後には「周りも助けてくれたし、みんながハードワークしてくれた結果」と振り返った喜田とは対照的に、「後半はボールが入らなくて持ち味を出せる機会が少なかった」と肩を落とした伊東。今回のマッチアップの軍配は2歳年下の喜田に上がった。

 サイドバックとしての出来は「やりたいことは頭に入っていたけど、ポジションに入ってみての景色は違うので、感覚を合わせながらやった。つくりの部分でうまく関われたし、守備の部分で穴を開けなかった」と及第点。プレーの幅を広げる一戦となったようだ。

「勝つって大変です」。試合後、ホームで勝てなかった3か月半を振り返り、そのようにこぼした喜田。小学校時代から横浜FMで育った者として、現状の順位には当然満足はしていない。「このクラブを全員が救っていくという想いを忘れちゃいけないし、マリノスというクラブへの想いを全面に出していかないといけない」。ここからの巻き返しに向け、早くも闘志を燃やしていた。

(取材・文 竹内達也)
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