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“森保式”を誰よりも知る男、32歳青山敏弘が熱く決意表明 「必要な選手とされるなら…」

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森保一監督の初陣に向け、決意を語った日本代表MF青山敏弘

 森保一監督とは3度のJリーグ制覇を共に経験した間柄。森保ジャパンの立ち上げメンバーに選ばれたサンフレッチェ広島MF青山敏弘が合宿初日の練習後、「選ばれた喜びというよりも、森保さんと日本代表でやりたい思いのほうが大きい」と感慨を述べた。

 自らのゴールで優勝を決めた2012年を皮切りに、13年と15年の優勝をつかんだ師弟関係が“日の丸”の舞台で実現した。「必要だから呼ばれた。必要な選手とされるならチームに貢献したい」(青山)。代表監督という大役を担った指揮官が、初陣の場で32歳を選んだのはこれまで築いてきた信頼の証だろう。

 森保監督は初日の練習前の円陣で「チームのために、仲間のために走って戦える選手を集めた。組織的な日本人の良さを出して戦いつつ、それぞれの特長、スペシャルな部分を出して思い切ってプレーして欲しい」と伝達したという。その最先鋒を担うのが最年長の青山だ。

 青山自身も「戦術、サッカーの質も高いものを求められるが、一番はそこ」とチームに対する献身性の大切さを強調し、「攻撃のスイッチ、サイドチェンジで自分の狙いを伝えていきたい」と“森保スタイル”の伝道者としての役割も自認。「日本代表でも日本の勝利に貢献したい」と意気込んでいる。

 森保監督はキリンチャレンジ杯の2試合に向けて、3-4-2-1システムの採用を示唆していたが、青山は「肝になるのはコンビネーション」と説明する。そのうえで「前3人とワイドにボールが入るまでにビルドアップしながら、サイドチェンジで一気にスピードを上げられるかが大事になる」と述べ、熟知したシステムを自らで体現していく姿勢をのぞかせた。

 ロシアW杯では直前試合のメンバーに入りながらも、自身の負傷によって招集を辞退。囲み取材では「W杯に出たかった」と悔しさも吐露した。だが、苦境から立ち上がった男はJリーグで高パフォーマンスを維持し、再び日本代表に帰ってきた。

「その想いをしっかりモチベーションとして続けているから、ここに来ることができた。自分ができる限りのことをやってきたからこそ今ここにいる」。指揮官の考えをもっともよく知る選手として、そしてJリーグで首位をひた走るリーダーとしてのプライドを背負って、ひたむきに闘う32歳が日本の未来を切り開く。

(取材・文 竹内達也)

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