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札幌のファンの前で紅白戦…震災後初の練習に青山「何か伝われば」

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チームのかじ取り役を担うMF青山敏弘

 公式戦さながらの紅白戦に手応えをつかんだ。7日に予定されていたキリンチャレンジカップのチリ戦(札幌ド)が中止となった日本代表は同日、札幌市内で練習を行い、紅白戦を実施。MF青山敏弘(広島)は2本とも主力組とみられるチームのダブルボランチに入った。

 ビルドアップで積極的にボールに絡み、パスをさばいた森保イズムの“伝道者”は「思った以上にハードで、テンポの速いゲームだった。練習でこれだけテンポが上がることはなかなかない。自然とそうなっていったし、気持ちがこもっていた」と力を込めた。

 6日未明に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震では北海道全域が甚大な被害を受けた。チリ戦が開催予定だった札幌市内でもいまだに停電、断水が続いている地区がある。それでも、この日の練習には地元の子供ら約200人のファンが練習場に訪れ、そのプレーに歓声をあげていた。

 練習後には選手全員と一緒に記念撮影も。青山は「こういう大変なときに札幌のみなさんにたくさん来ていただいた。やっぱり自分たちは見られる立場。その中で何か伝えられるものがあるから見に来てくださると思うし、何か伝わればと思ってプレーした」と、その胸中を語った。

「試合が一番の練習になる。本当は札幌で試合がしたかったけど、今日は今日で、みんなでコミュニケーションを取りながら同じものを共有できて、いい練習になった」。チームは明日8日に札幌を離れ、大阪に移動。11日のコスタリカ戦(吹田S)に向けて調整を続ける予定だ。

 今度こそ森保ジャパンの初陣へ――。「いい試合がしたいし、勝ちたいし、勝たないと(被災者への思いは)伝わらないと思う。そのためにみんなが一つになってやっていかないといけない」と、あらためて決意を強めた。

(取材・文 西山紘平)

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