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松尾元太監督率いる大阪体育大が中京大に競り勝ち7年ぶり決勝へ

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大阪体育大が競り勝って決勝へ勝ち上がった

[9.7 総理大臣杯準決勝 中京大1-2大阪体育大 ヤンマー]

 第42回総理大臣杯の準決勝が7日、ヤンマースタジアム長居で行われ、第2試合では大阪体育大(関西2)が中京大(東海3)を2-1で下した。大阪体育大は優勝した2011年大会以来、6度目の決勝進出を決めた。

 現役時代は名古屋や京都でプレーした松尾元太監督が込めたメッセージの意図を汲み取ったイレブンが期待に応えた。大阪体育大は2回戦で福岡大、準々決勝で駒澤大と蹴るサッカーを主体とするチームを下して勝ち上がってきた。しかしこの日の相手である中京大はこれまでの相手とスタイルが違うため、戦術を落とし込む時間もないことから、「戦い方が変わるよ」とメッセージ性を持たせる必要があったのだという。

 大体大はそのため、2トップと攻撃的MFの合計4枚を代える大胆な布陣変更を決行。そして指揮官の思惑通り、2トップがしっかりと結果を残した。攻め込まれた序盤を無失点で耐えると、前半アディショナルタイム1分、左サイドのスローインからチャンスを作ると、DF菊池流帆(4年=青森山田高)のヘッドからゴール前の混戦が生まれる。これをFW古城優(4年=堺西高)が押し込み、前半をリードして折り返すことに成功した。

 追加点は後半7分、GK立川小太郎(4年=初芝橋本高)からのロングボールを古城が頭に当てて流す。これで裏に抜けたFW大田賢生(4年=星稜高)がGK近藤悠大(4年=東海大諏訪高)との1対1を冷静に制して、試合をさらに優位に進める2点目を奪った。

 前半からチャンスは作れていた中京大も後半29分、FW大城佑斗(4年=中京大中京高)がMF平田健人(4年=星稜高)とエリア内で交錯。PKを獲得すると、大城自らが沈めてようやく1点を返す。しかし同31分にも再び大城が突破からエリア内で倒されるが、今度は笛は鳴らず。前半12分のMF川瀬相(2年=野洲高)のミドルがクロスバーに嫌われるなど、運も味方しなかった中京大の夏の挑戦は3位で幕を閉じた。

 7年ぶりとなる大体大の決勝の相手は、4年連続で決勝に勝ち上がってきた明治大。「自分たちがどこまでできるか、チャレンジするだけ」。松尾監督も総力戦でぶつかる覚悟を語る。MF平田健人(4年=星稜高)は「関東のチームは似たようなチームなので、打つも通りうちのサッカーが出来れば勝てると思う」と勝算ありを強調する。「粘り強く戦って、絶対に優勝したい」。もうイレブンの目には7年ぶりの日本一しか見えていない。

(取材・文 児玉幸洋)
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