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「自然と涙が」大院大DF生駒稀生、無念の負傷交代…上夷との鹿児島城西先輩後輩対決も

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試合前に握手をかわす際に笑顔を見せるDF上夷克典(左)とDF生駒稀生

[9.7 総理大臣杯準決勝 明治大3-0大阪学院大 ヤンマー]

 無念の負傷交代となった。大阪学院大のDF生駒稀生(3年=鹿児島城西高)は前半終盤、明治大のMF中村健人(3年=東福岡高)とエリア内で接触。左足首を痛め、苦悶の表情を浮かべた。その後も気合でプレーを続け、後半のピッチに立ったものの、それ以上のプレー続行は無理だった。

 後半5分、ピッチを離れる際に生駒はユニフォームで顔を覆った。「泣くつもりじゃなかったんですけど、自然と涙が出てきた」。ベンチに帰り、左足首を治療。仲間を信じ、ベンチで勝利を祈ったが、チームは0-3で完敗を喫した。「絶対に勝ちたいと思っていた。悔しいです」。

 相手のCBには鹿児島城西高の一学年先輩にあたるDF上夷克典(4年=鹿児島城西高)がいた。「去年の大臣杯で明治の試合を観に行ったときに、一年後に戦おうと約束していた。だから頑張ろうと思った」。準決勝での対決が確定すると、お互いに連絡を取り合い、健闘を誓い合った。

 試合前の握手の際はおもわず笑みがこぼれた。「1対1の対応やヘディングは見て学んだところが多い」と尊敬する先輩との対戦。上夷も「一緒にやってきた後輩と試合が出来たのは特別な思いがありました。自分としても嬉しかった」と純粋に対決を楽しんでいたという。

 また生駒は最後は悔いの残る結果になったが、個人的には手ごたえも感じることが出来る大会になったと振り返る。「個人的には一番成長しないといけないと思っていた。非常にいい経験が出来たのかなと思います」。実弟に今季より横浜F・マリノスに加入。7日にカターレ富山への育成型期限付き移籍が発表になったDF生駒仁を持つ注目DFは、「後期リーグにしっかりと巻き返して(前期は8位)、4位圏内に入ってインカレでリベンジしたい」と目線を前に向けた。

(取材・文 児玉幸洋)
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