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ボールはゴールへ転々…堂安、デビュー弾ならず「パフォーマンスを考えてしまった」

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A代表デビューを飾ったMF堂安律

[9.11 キリンチャレンジカップ 日本3-0コスタリカ 吹田S]

 史上31人目のデビュー戦ゴールまであと一歩だった。日本代表に初選出されたMF堂安律(フローニンゲン)は右サイドハーフで先発デビュー。開始早々の前半6分にドリブル突破からFKを獲得するなど積極果敢にプレーし、周囲とのコンビネーションもまじえながらゴールに迫った。

 最大の決定機は後半14分に訪れた。MF中島翔哉から横パスを受けたFW小林悠のスルーパスに反応。PA内左に走り込むと、GKの頭上を越す左足のチップキックでゴールを狙ったが、ボールはゴールラインぎりぎりでDFにクリアされた。

「ああいう背後に抜ける動きはオランダで磨きをかけてきた。(パスを)出してくれる選手がチームメイトにいるので」。そうシュートシーンを振り返った20歳の新星は「キーパーが絶対に寝転ぶと思ってチョンと浮かして……。入っていくイメージだったけど」と悔しさを隠さない。ボールが転々とゴールに向かっていく間には「パフォーマンスを考えてしまった」と冗談交じりに苦笑いした。

 後半19分にもMF南野拓実が仕掛けたこぼれ球を拾い、PA内右から縦に仕掛けて利き足とは反対の右足を振り抜いた。しかし、これも惜しくもゴール右へ。後半34分には自ら獲得したFKを直接狙ったが、壁に当たるなど、後半40分に交代するまでシュート3本を放ったが、代表初ゴールはならず。それでも「右足も練習していたし、幅広いプレーができるようになってきたかなと思う。背後に抜ける動きと右足(のシュート)は収穫」と胸を張った。

 昨年6月までプレーしていたG大阪の本拠地で堂々たるプレーを見せた。「見渡せばシートは青色だし、親戚や友達も見に来ていた。自分の結果としては残念だったけど、自分の姿を見せられたことは良かった」。かつてのホームスタジアムで見せた鮮烈デビュー。東京五輪世代のホープは「また来月、(メンバーに)入ったら、『先月よりたくましくなったな』と言われる選手になりたい」と視線を前に向けた。

(取材・文 西山紘平)

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