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「僕のような選手が…」福岡MF城後寿、“パワー”と“刺激”与えたAT同点弾

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同点ゴールを奪ったアビスパ福岡MF城後寿

[9.16 J2第33節 千葉3-3福岡 フクアリ]

 残された時間はほとんどなかった。1点のビハインドを背負って迎えた後半アディショナルタイム。しかし、最後まで諦めなかったアビスパ福岡に同点となるゴールが生まれる。ネットを揺らしたのは福岡一筋のMF城後寿だった。

 ベンチスタートだった城後に出番が巡ってきたのは、2-3と千葉に1点のリードを許して迎えた後半39分。与えられた時間はわずかだったが、後半アディショナルタイムも3分を回ろうかというときに、大仕事をやってのける。

 右サイドでボールを受けたMF山瀬功治が突破して送ったクロスはDF鳥海晃司に当たってコースが変わる。しかし、城後は落ち着いていた。「いつもクロスのところは狙っている。今日は相手のGKと最終ラインの間が前半から空いていると感じていた。そこに迫力を持って入れればと思っていた」。落下してくるボールに猛然と飛び込むと、距離を詰めたGK大野哲煥よりも早く触れてヘディングシュート。ボールは大野の手に触れて勢いが弱まったものの、ゴールマウスに収まって値千金の同点ゴールが生まれた。

 現在32歳となった城後。第33節を終えた今季、出場機会は限られており、ピッチに立ったのは14試合、先発出場はわずかに4試合だ。そして、同点ゴールをお膳立てした山瀬は36歳で、今季は21試合(先発7試合)の出場にとどまっている。当然ピッチに立ってチームのJ1昇格に貢献したい思いは強いだろうが、わずかな出場時間でも、そしてピッチに立てなくてもできることはあると力を込める。

「功治さんだったり、僕のような試合に出ていない年上の選手が、少しでもチームにパワーを与えるようなプレーができた。若い選手やチームに少しでも刺激を与えられれば、これほど良いことはない。上に行くには試合に出ていない選手の力も絶対に必要なので、しっかりチームを押し上げられるようにやっていきたい」

 プレーオフ圏内となる6位大宮とは同勝ち点の「54」ながらも、得失点差で下回っての7位(大宮+15.福岡+13)。残り10試合と終盤戦を迎える中、在籍14年目を迎えたベテランはチームのJ1昇格のためだけに戦い続ける。

(取材・文 折戸岳彦)
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