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“いろいろあった”ハーフタイム…鳥栖GK権田「それに頼っていてはダメ」

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引き分けに終わった柏戦を振り返ったサガン鳥栖GK権田修一

[9.22 J1第27節 柏1-1鳥栖 三協F柏]

 サガン鳥栖GK権田修一はこの日も3本のビッグセーブを見せ、残留争いを強いられているチームを救ってみせた。低調だった前半、「いろいろあった」というハーフタイム、勝ち点1の受け入れ方――。日本代表に返り咲いた守護神は、ていねいにこの一戦を振り返った。

 ゴール左隅を突いたMF江坂任のヘディング、強烈なFWクリスティアーノのミドル、こぼれ球に詰めたFW山崎亮介のダイレクト。終盤に猛攻を仕掛けた柏レイソルだったが、あらゆるシュートが権田の身体の一部に阻まれた。

「基本的に、シュートが枠に来たら止めないとやられちゃうので。ディフェンス陣が身体を張って止めてくれているので、どんな状況であっても枠に来たシュートを止めるのが仕事」。今季は何度もチームの窮地を救ってきた守護神だが、自らの貢献度を誇る様子は微塵も見せない。

「最低限の結果」という勝ち点1に終わった一戦について、権田は「悪い意味でサガン鳥栖らしさが出た」と振り返る。気になったのは「前半はあまり良くなくて、後半はチームとして一つに戦えた」こと。「上半期が良くなくて下半期に良くなってきたけど、上半期が良くないと上位には行けない」。シーズン全体を振り返っての捉え方だ。

「本当はそれじゃいけないんですよね。今日の試合がどれくらいの意味を持っていたか。柏サポーターもウチのサポーターも、試合が終わった瞬間に『あーっ……』という雰囲気になったのを見ると、勝ち点3がほしかったのが分かる」

 この日の対戦相手である柏は勝ち点で並び、得失点差でわずかに上回っている残留争いのライバル。「順位も近い対戦だったので、準備でミスをしてはいけなかった。試合の前半はこれまで1週間の準備が表れると思っているので、今週は準備不足と思わざるを得ない」と悔やんでいた。

 そもそも、残留争いの現状にも満足していない。「今年はこんな状況ですけど、残留争いがしたくて鳥栖に入ってきた選手はいない。上でやろうと思っている選手が多いので、そのレベルでやるためにはこういう時も突き詰めていかないと。優勝争いをしていたら勝ち点2を失ったとなるじゃないですか。だからそういう心構えで臨んでいきたい」と力説する。

 そんなメンタリティーは「いろいろあったんですけど……」と苦笑いで振り返ったハーフタイムの受け入れ方にも表れていた。「こういう時にエネルギーを出してくれる選手が夏に入ってきてくれて、ある選手がチームに対して『もっとやんなきゃいけないんだ』って気持ちを出してくれた」。言葉を選びながら明かした権田だが、「そのおかげで盛り返せたのかもしれないけど、それに頼ってはダメ」と諌めるのを忘れなかった。

 次節は上位につける札幌とのアウェーゲーム。「勝ち点1だと次の試合が大事になる。札幌戦で勝ち点3が取れるかにかかってくるし、勝ち点1を生かすも殺すも札幌戦次第。僕らは残留争いをしているけど、相手どうこうじゃなく、シンプルに勝ち点3を積み重ねることを考え続けてやりたい」。大きく勝ち点で離された相手、遠方でのアウェー連戦、そんな現状に甘んじた結果を求めていくつもりはないようだ。

(取材・文 竹内達也)

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