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「どちらが長くボールを持てるか」の勝負で上回った横浜創英、個の強さも加えて麻布大附撃破

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前半34分、横浜創英高FW頼住陸人が右足で先制ゴール

[9.22 選手権神奈川県予選2次2回戦 麻布大附高 1-2 横浜創英高 横山公園]

 22日、第97回全国高校サッカー選手権神奈川県2次予選2回戦第1日が行われ、インターハイ予選8強の麻布大附高と関東大会予選8強の横浜創英高との一戦は横浜創英が2-1で勝った。

 麻布大附は旧・麻布大淵野辺高時代にFW小林悠(現川崎F)や太田宏介(現FC東京)らを擁して選手権に2年連続出場。近年は13、14年のインターハイ予選で2連覇している実力派で、一方の横浜創英も16年のインターハイ予選で初優勝を果たすなど、近年メキメキと力をつけている強豪校だ。

 ともにトレーニングで個の技術、判断力のベースを上げ、高い組織力、質の高いポゼッションを構築して勝負する両校による戦い。GKからグラウンダーのパスで攻撃を組み立てる麻布大附は、各選手のわずかにDFを外す動きと、ファーストタッチの巧さで局面を打開しながら前進する。

 特に10番MF奈良圭悟(3年)とMF重田泰良(3年)が起点となりながら前へ。23分には巧みにDFのマークを外したFW大内樹生(2年)が一気に左サイドを駆け上がり、ラストパスへ持ち込むシーンもあった。

 一方の横浜創英は局面を複数の選手のパス交換で打開する巧さに加え、注目エースFW綿谷航平(3年)のスピードが突破口に。綿谷への縦パスや左SB坂岸寛大(2年)の攻め上がりも活用しながら攻める横浜創英は、ボールを失った後の切り替えの速さと前線からの鋭いプレッシング、相手の縦パスに狙いを定めてボールを奪い切る力も発揮して流れを引き寄せる。
 
 綿谷は「麻布は2列目などが引いて、後ろから丁寧に繋いでくることはビデオで見て確認していた。そこを潰そうと言っていて、それが前半からかなり効いていたと思います」。ボールを簡単に失わず、例え失っても前線から“ハメて”奪い返す横浜創英は、綿谷の決定的な左足シュートなど麻布大附ゴールを脅かす回数を増やした。

 そして34分、MF荒俣圭汰(2年)からのパスを受けたFW頼住陸人(3年)が、相手の寄せの甘さを突いて右中間から縦に切れ込んで右足一閃。素晴らしい弾道の一撃をゴールネットに突き刺した。

 綿谷は「頼住のゴールで流れが来た」と振り返る。また、DF陣の頑張りもあった横浜創英は前線で綿谷や頼住、MF川口宗之丞(3年)が良くボールに絡んで、コンビネーションから追加点のチャンスを作り出す。前半終了間際から左のドリブラー・MF藤原悠生(3年)、後半開始からは負傷でベンチスタートのMF金子拓真主将(3年)を投入して攻撃を加速。決定機を作り出したが、フィニシュが雑になった部分もあって2点目を奪うことができない。

 1点差で我慢する麻布大附はワンツーから打開を図るMF竹野翔(3年)ら交代出場組がテンポ上げて反撃。だが、39分に竹野が放った右足シュートはGK正面を突いた。逆にアディショナルタイム突入後の42分、横浜創英は金子のインターセプトからスルーパスで綿谷が抜け出す。最後はエースがGKとの1対1を右足で制して2-0とした。

 麻布大附も直後に前線で繋いでから交代出場MF北野寛大(3年)が右足でゴール。1点差とした麻布大附はさらにセットプレーから繋いでゴール前にまで持ち込んだ。だが、シュートを打つことができずに試合終了。横浜創英が2-1で勝利した。

 横浜創英の宮澤崇史監督は「主導権争いで勝てたのは勝因。どちらが長くボールを持てるか。そこでウチが奪い切れたことで流れが来た」とコメント。“ボールの握り合い”で主導権を握った横浜創英が、3回戦(10月20日)へ駒を進めた。

 宮澤監督は今年のチームについて「25人くらい誰が出ても変わらない。競り合いながらチームを作っている」と説明する。インターハイに初出場した13年や16年はまだ主力とサブとの間に力の差があった印象だが、「創英モデル」の攻撃スタイルに憧れて進学してくる選手が増えて層が厚くなっている。

 綿谷ら力のある個の存在もあり、指揮官は過去のチーム以上になる可能性を口にする一方、ゲームの中で相手を見て気づく力の向上をより求めている。選手たちはインターハイ予選でPK戦敗退した悔しさも力にレベルアップするだけ。繋いで崩す巧さに加え、個で打開できるタレントも複数擁す今年、横浜創英が選手権初出場を果たす。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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