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[スペシャルオリンピックス]熊本が31得点の猛攻。1人で7得点の田端が語る「サッカーの絆」

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選手に指示を出しながら懸命のプレーを続けた田端。左腕のキャプテンマークが輝く

[9.23 スペシャルオリンピックス愛知大会 決勝ディヴィジョン SON・熊本 31-0 SON・愛知A トヨタスポーツセンター]

 知的障がいを持つ選手によるスポーツの祭典が開幕。SON(スペシャルオリンピックス日本)・熊本がSON・愛知Aから31点を奪う猛攻で優勝決定戦へ駒を進めた。田端映規は熊本を主将としてけん引し、1人で7得点する大活躍。それでも最後まで気持ちを切らさず攻め続け、試合終了の瞬間、少しだけ表情を崩した。

「チーム一丸となって頑張れたこと、最後にみんなで笑顔で終われたことが非常にうれしいです」

 50m走を5秒台で走れる俊足が武器。周囲にすすめられる形でサッカーをはじめた。2015年度にはじまった知的障害特別支援学校高等部交流大会の「もうひとつの高校選手権」にも出場し、そこで今回、愛知Bで出場する上林昴史とも対戦。その時は上林が所属した愛知県立豊田高等特別支援学校が勝ち、大会も制覇した。2人はその時のことをお互いに覚えていた。

「テントで『また会ったね』『久しぶりですね』と話すことができた。笑顔になれる瞬間でした」

 田端は、サッカーによって育まれた「絆」についてこう語る。

「僕はサッカーをはじめるまでそれほどコミュニケーションが上手ではありませんでした。障がいがあったことで、実は人からバカにされたり、けなされることもあったんです。でも、スペシャルオリンピックスを通して友達もできたし、コミュニケーションもとれるようになった。みんなと仲良くなって絆も生まれるようになった。本当によかったなあと思っています」

 きょう24日、田端は上林にリベンジの戦いを挑む。主将として、まずは熊本を優勝に導きたい。それと同じくらい、試合後に上林と笑顔で話ができることを楽しみにしているはずだ。

(取材・文 林健太郎)

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