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[AFC U-16選手権]「失点しなかった」ことで積み上げた勝ち点1、初先発の193cmCB佐古はスキ作らず

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U-16日本代表CB佐古真礼(東京Vユース)は左足フィードで攻撃の起点に

[9.23 AFC U-16選手権GL第2節 U-16日本代表 0-0 U-16タジキスタン代表 マレーシア]

 AFC U-16選手権、タジキスタンとの第2戦で日本は最後までゴールを目指したものの得点を奪えず、0-0の引き分けに終わってしまった。

 試合後には敗戦のようなムードも漂ったが、実際には勝ち点1を積み上げたゲームでもある。どうしても「点を取れなかった」ほうにフォーカスされがちながら、「失点しなかった」試合でもあるからだ。

 タジキスタンは明確な“ワンチャン狙い”の戦術を貫いてきた。自陣深くまで日本を引き込んだ上で一本のカウンターに懸ける形である。走力のある選手も多く、DFにとって決してストレスのない相手ではなかった。ただ、日本の守備陣は最後まで崩れず。決定的と言えるシーンはほぼ作らせなかった。

 半田陸(山形ユース)を除いてGKとDFが全員入れ替わったこの試合、CBで半田のパートナーを務めたのは佐古真礼(東京Vユース)。193cmの偉容を誇る超大型DFは、その高さで相手のロングボールを撃墜する仕事をこなしつつ、万一に備えてのカバーリングポジションも取り続け、最後までスキを作らなかった。

「(半田)陸とコミュニケーションを取りながら、集中を切らさず、マーク確認してやろうということはできていた」(佐古)

 もちろん、結果に満足と言える試合ではないが、ゼロ失点、しかも相手にほぼチャンスを作らせなかったことについては「次につながると思う」と手ごたえを得る部分もあったのは間違いない。

 攻撃の組み立てに関しては、ピッチ状態が劣悪で難しい部分もあったが、得意とする左足でのサイドチェンジも駆使しつつ、何とか打開しようという意図は見えた。特に後半、右サイドの高い位置へ張り出したDF角昂志郎(FC東京U-18)を佐古のパスから走らせるのは一つの形として機能していた。

「シンプルに、焦れずにボールを動かしていこうと思っていた。左足でのロングフィードは元から自分のストロングポイントだし、(長いボールからスペースを突くのは)角のストロングポイントでもある。近くに繋ぎながら逆サイドというのは意識してやっていた」(佐古)

 第1戦は先発を外れて悔しい思いも味わった。「チャンスが来たときに見返してやろう」という思いを表現した試合だけに、最後までゴールも狙った。長身を活かしたヘディングはセットプレーで相手の脅威にもなり続けたが、「(頭に)当てるだけになっていた。無理に狙うだけでなく折り返すとか、もっとできることはあった」と満足感はない。

 育成の名門から送り出されてきた逸材が見据えているのは次のチャンスが来た時にどんなプレーを見せられるかということだけ。

「幸運にも、まだ勝てば1位抜けできるという順位にいる。次の試合も全員で絶対に勝利を掴みたい」(佐古)

 中2日で臨むグループステージ最終節は地元のマレーシアが相手。大観衆の中でシビれるゲームが待っている。

(取材・文 川端暁彦)●【特設】AFC U-16選手権マレーシア2018
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