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成立学園は守備の柱もJ入り有力プレーヤー。CB照山主将は指摘受け止め、改善して飛躍

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成立学園高CB照山颯人主将は強豪対決勝利に貢献

[9.23 都1部L第16節 國學院久我山高 1-3 成立学園高 國學院大學たまプラーザキャンパスG]

 東京の強豪、成立学園高はエースFW窪田稜(3年)が金沢入りを決めたが、もう一人Jクラブ加入が濃厚となっている選手がいる。それはキャプテンマークを巻くCB照山颯人主将(3年)だ。

 柏U-15時代はボランチやSBとしてプレー。成立学園進学後、同学年にCBが少なかったことからコンバートされたDFは「最初は嫌だった」と苦笑いするが、今やJ1クラブが注目するCBへと成長を遂げている。

 元々、足元の技術とロングボールには自信を持っていた。この日も國學院久我山高が前線からプレッシングしてくる中でボールを要求。相手を幾度もいなしてチームを前進させていた。前半は縦パスを狙われてロストするシーンもあり、チームとしても國學院久我山にボールを握られる展開に。それでも、攻撃の起点になり続けた照山はロングフィードで窪田の同点ゴールを演出し、182cmの長身を活かした空中戦の強さも発揮していた。

 本人は守備の進化を実感している。スカウトと話をする中で「守り方や、守る姿勢のところを言ってもらいました」。成立学園の方針もあって、プロで戦うための課題をスカウトから遠慮なく指摘してもらい、それを意識的に向上させてきたことで攻略困難なCBになってきている。

 本人は気迫を持ったプレーが課題と感じており、それをピッチで表現するスペイン代表CBセルヒオ・ラモスを憧れの選手に挙げる。ただし、キャプテンとして人間的にも成長しているのは確か。五十嵐和也監督から応援されるチームになること、選手一人一人の立ち振る舞いを求められてきたが、当初はチームも自身も意識が足りなかったという。それでも、現在は指揮官が「チームをまとめてくれている。周りがテルの足りないところを補っている中で最近、キャプテンシーが芽生えてきている。最後まで声出して統率してくれている」と目を細めるリーダーに変わってきている。

 周囲の指摘を受け入れながら、強豪校の主将は東京を代表するCBとなった。それでも、Jクラブに練習参加を経験して感じたのは「高校と違ってレベルが段違いに違うので、自分ももう一段階も二段階も変えていかないとやっていけないと思う」ということ。現状のままではプロで活躍することはできない。

 元日本代表MFの宮内聡総監督も「展開力とロングボール、マイボールを繋ぐというオフェンス力は身につけている」と認める能力をさらにレベルアップさせること。首位に立っている東京都1部リーグ、そして13年ぶりVを狙う選手権予選の厳しい戦いの中でもより違いを示す選手になって、プロのステージへ進む。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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