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[MOM555]明治大FW小柏剛(2年)_均衡を破ったジョーカー

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途中出場で結果を残すMF小柏剛
(写真提供『明大スポーツ』)

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.23 関東大学L1部第13節 明治大3-0国士舘大 味フィ西]

 ファーストプレーでいきなり結果を出した。スコアレスで折り返した後半から途中出場したMF小柏剛(2年=大宮ユース)は後半4分、MF小野雅史(4年=大宮ユース)の蹴ったFKのポストに当たった跳ね返りで混戦が生まれる。それを小柏が押し込んだ。このゴールで勢いづいた明治大は3-0で快勝。首位の早稲田大との勝ち点差を5とした。

 これで前期の後半から含めてリーグ4戦連発。「どれもチームメイトが繋いでくれたもの。今日も(中村)穂高さんが繋いでくれて、それを蹴り込んだ形だった」と仲間への感謝を語ると、「自分の点で試合に勝てたことが一番良かった」とはにかんだ。

 ジョーカーとしての役割が板についている。前期では先発することもあった小柏だが、総理大臣杯の途中から途中出場が増えた。単純に競争もあるが、スピードを武器とする小柏を後半の勝負所で起用したい狙いもある。栗田大輔監督も「途中出場の選手が結果を残すチームは強い」と常々話しており、小柏への期待の高さを語っている。

 ただ本人は現状に満足することはない。やはり理想は「スタメンで出て90分やり切って、得点も取って、チームが勝つこと」。そのためには与えられた出番で結果を出し続けてアピールを続けて行くしかない。「選手層も厚いですし、競争も激しい。今はサブで期待に応えることが自分の仕事。自分が入って流れを変えるという意味では自分の特長を活かせるのかなと思っています」。

 生粋の点取り屋。大宮ユース時代の16シーズン、プレミアリーグEASTで12得点を決めて、得点王を獲得した。この年は前期は2ゴールと苦しんだが、後期の6試合連発を含む10ゴールの固め取りで“高校No.1の点取り屋”の座に輝いた。

 嗅覚はタレントが揃う明治大の中でも随一。出番を与えられれば、結果を出す自信もある。今感じている課題は「波がある」こと。「この波をなくして、リーグ戦で取り続けることが大事。インカレやその先を含め、点を取れることが自分の一番の武器になれればいい」。

 7得点はトップと3ゴール差の6位。得点王も十分に視野に入ってくる数字だ。「得点ランキングは見ている」と“色気”を明かした小柏だが、「チームの優勝が一番。チームを勝たせられる点を決めていけば、自然とそういうのにもつながっていくのかなと思います」と意識を高く持つ。ジョーカーポジションにはまるスピードスターが、後期の明治を勢いづかせる。

(取材・文 児玉幸洋)
●第92回関東大学L特集

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