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[MOM556]順天堂大FW旗手怜央(3年)_意識を高く…川崎F内定で芽生える自覚

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“U-21日本代表対決”を制したFW旗手怜央

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.23 関東大学L1部第13節 順天堂大1-0法政大 味フィ西]

 “ライバル対決”を制した。順天堂大のFW旗手怜央(3年=静岡学園高)は前半11分、MF石上輝(4年=堀越高)のパスを受けると、中央を強引な突破から持ち込んで右足を振り抜く。

「DFラインが強いというのは知っていた。まず最初に裏を狙ったら、輝君からいいボールが来た。周りを見たときに誰もいなかったので、一発目だったし、仕掛けて行こうと思った。仕掛けたらシュートを打てる感じだったので、上手く流し込めた感じです」

 相手の法政大には今夏のアジア大会に出場したU-21日本代表でチームメイトだったFW上田綺世(2年=鹿島学園高)がいた。旗手は「自分より点を決めているし、年下に上に行かれるのは嫌。ましてや同じ代表でやっている仲間なので負けたくない」と少なからず意識して試合に臨んでいた。結果はシュート7本が空砲に終わった上田に対し、旗手はファーストチャンスをしっかりとものにし、チームを勝利に導いた。

「アジア大会では自分の方が出ていたし、決定機もあったと思うけど、あの大会での決定力は綺世の方が上だった。そこは代表が終わってから自分の中で思っていること。今日は向こうの方が決定機はあったと思うけど、レベルは違えど、アジア大会を経験して決めきることにこだわるという点では今日は良かったです」

 旗手は8月10日にもう一人の同学年の注目選手である筑波大MF三笘薫(3年=川崎F U-18)とともに20年の川崎フロンターレへの入団を決めた。「出るのは一番難しいクラブ」だと理解した上での決断。「個を重要としているチームで勝負したかった。そこで生き残れれば価値があると思う。競争が激しいところに身を置いて、のちにフロンターレの中心になれたらいい」と意識を高く持っている。そして「人からすごく見られていると感じる。あれがそうなんだと絶対に言われていると思う。観られている分、しっかりと自分の持っているものを出したい」と早めに進路を決めたことで自覚も芽生えている。

 東京五輪を目指すU-21日本代表としての活動、さらに10月には教員免許取得のために母校の静岡学園高を訪れる予定と何かと忙しい日々を送る大学サッカー界屈指の点取り屋だが、まずはチームで結果を残したいと考えている。後期リーグを連勝発進したことで、首位早稲田大との勝ち点差は7に縮まった。

「僕たちは上だけを見て勝つしかない。他力でなく自力でしか結果は出ない。勝ち続けないと」と気合を入れ直した旗手。「大久保嘉人さんのようにアシストもゴールも決める選手になりたい」と話す21歳は、「去年の14点?越えられない数字ではないと思う」と現在8得点からの更なるゴール量産を誓っていた。
 
(取材・文 児玉幸洋)
●第92回関東大学L特集

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