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王国・清水育ちの万能型MF成岡、ボランチ起用の期待に応えて勝利に貢献

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U-16日本代表MF成岡輝瑠はSHからボランチへのポジション変更も難なく対応。ゴールも決めて勝利に貢献した

[9.27 AFC U-16選手権GL第3節 U-16日本代表 2-0 U-16マレーシア代表 マレーシア]

 AFC U-16選手権グループリーグ第3戦は、予想だにしなかった展開を経ての開催となった。MF成岡輝瑠(清水ユース)は当初試合の予定されていた26日、「すごい準備をして備えていた」という万全の状態で会場入りしていたが、まさかの雷で試合順延。翌日午前のキックオフとなるハプニングがあった。

 当初は難しさを強く感じていたと言う成岡だが、前日夜に関塚隆技術委員長がミーティングで話した「こういうピンチが逆にチャンスなんだ」という言葉に刺激を受けて「ネガティブに考えるのではなく、前向きに捉えた」と気持ちを切り替え、あらためて順延試合に臨んだ。

 司令塔役のMF山内翔(神戸U-18)が急きょ欠場となり、ポジションが変わるという点も前向きに受け入れた。サイドハーフからボランチへの移動となったが、「チームでも普段はボランチをやっているので」と、むしろプラスに捉えて試合に入り、山内とはまた違った攻撃面での持ち味を前面に押し出した。

 37分の先制点はサイドハーフもこなせる成岡の“幅広さ”から生まれている。左サイドに顔を出してボールを受けたところから相手DFの虚をつく単独突破を敢行。サイドをぶち抜いて上げたクロスボールのこぼれ球からFW唐山翔自(G大阪ユース)の得点が生まれた。

 その後は「一回ボールを持ちすぎて取られてしまった」という反省から、リスクを避けてシンプルにボールを散らすプレーを意識しつつ、守備でも体を張って奮闘。そして後半アディショナルタイムには、目の覚めるようなミドルシュートでマレーシアゴールを強襲。バーに当たったボールが相手GKに当たる形でゴールイン。貴重な追加点を奪い、試合を決めてみせた。

 開催国相手の試合ということで「自分たちが出す指示の声も通らない」難しさも感じながらのゲームだったが、与えられた責任を全う。ボランチ起用の期待に応える形でしっかり勝利に貢献してみせた。

 次は世界大会出場の懸かる準々決勝となるが、「ホントにそこが勝負だと思っているし、そのためにやってきた」と闘志を燃やす。王国・清水で育った万能型MFは勝負の一戦でこの日以上の輝きを放つことを狙っている。

(取材・文 川端暁彦)
●【特設】AFC U-16選手権マレーシア2018
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