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[MOM2620]流経大柏DF関川郁万(3年)_なぜGKと1対1に!? 指揮官も期待込める「スーパーな選手」

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チーム3点目を記録した流通経済大柏高DF関川郁万

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.29 adidas Festival 2018 in IBARAKI 流通経済大柏高3-1桐生一高 RKUフットボールフィールド]

 本職の守備だけでなく、攻撃面でも魅せた。5月に来季の鹿島加入内定が発表されている流通経済大柏高DF関川郁万(3年)は、その能力の高さを発揮して最少失点に貢献するだけでなく、1ゴール1アシストを記録。しかし、試合後の表情は晴れやかなものではなかった。

 前半3分にMF芹田悠真(3年)のクロスを打点の高いヘディングで折り返すと、DF藤井海和(1年)の得点をお膳立て。その後は最終ラインからのフィードで攻撃にリズムを生み、強靭なフィジカルを生かして相手攻撃をはね返し続ける、はずだった。しかし、フィードは味方に合わない場面も目立ち、桐生一に裏のスペースを突かれて対応が後手に回ることも。そして、本田裕一郎監督が「簡単にサイドに行って、釣り出されてしまった」と語ったように、自身の持ち場となる“中央”から離れて危機を招く場面もあり、前半29分にはスルーパスからFW松下駿也(3年)に完全に抜け出されて失点してしまった。

「自分のミスから失点してしまった。僕のポジションはミスをゼロにしないといけないポジションなので、今日は反省が多い」

 しかし後半に入ると、攻撃にリズムをもたらしていた桐生一の小池泰誠(3年)をDF岡本竜(3年)にケアさせ、自らは「一つ下がって」カバーリングに集中して守備を安定させる。相手の攻撃の芽を摘み続けると、後半26分にはCKの流れから、「(自陣に)戻ろうとしたけど、味方が拾ったのでチャンスになると思って前に残った」と前線に残ると、左サイドから送られたFW左部開斗(3年)のグラウンダーのパスからフリーに。GKとの1対1を冷静に制してネットを揺らし、貴重な追加点を奪取した。

「GKと1対1になることなんかないですよ(笑)。でもボールが来れば良いなと思っていた。相手選手もいたので、はね返されると思ったけど、スルスルと抜けてきて自分でもビックリした」

 1ゴール1アシストと結果を残し、守備面でも後半は立て直したように見えたが、本田監督はボールを持った際のフィードの精度や守備時のポジショニングなどに注文をつけた。しかし、「ウチの(最終ラインの)真ん中にはね、スーパーな選手がいるんだよ。身体能力も高いし、ヘディングで競り勝つのも当たり前だと思っているけど、今日は良くなかったね(笑)」と苦笑しつつ、J内定選手への期待を口にする。

 関川にとって、最後の選手権予選は10月27日もしくは28日に初戦を迎える。「正直、3年間って永遠に続くものだと思っていた。1年生の最初の頃から試合で使ってもらい、『3年間って長いんだろうな』と感じていたけど、今日まであっという間だった。高校生活最後となる選手権には絶対に出たい」。目の前には千葉県の強豪校が立ちふさがるが、「そこで優勝しないと全国に行けない」と断固たる決意を胸に最後の戦いに臨もうとしている。

(取材・文 折戸岳彦)
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