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[adidas Festival 2018 in IBARAKI]愛媛内定FW中川裕仁が40分で圧巻パフォ!! 攻撃陣爆発の興國、清水桜が丘との雨中決戦制す

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興國高清水桜が丘に5発快勝

[9.29 adidas Festival 2018 in IBARAKI 清水桜が丘高0-5興國高 RKUフットボールフィールド]

「adidas Festival 2018 in IBARAKI」の2日目が29日、RKUフットボールフィールド(茨城県龍ヶ崎市)で行われ、清水桜が丘高(静岡)と興國高(大阪)が対戦。前半12分にFW登幹介(3年)の得点で先制した興國が、後半に入ると大量4点を加点して5-0の完封勝利を収めた。

 序盤からペースをつかもうとする興國は前半12分に左CKを得ると、登が直接ネットを揺らして先制に成功。同17分にもゴールに迫り、右サイドのMF内山颯基(3年)が送ったパスを逆サイドのMF野勢日向太(1年)が落とし、走り込んだDF鈴木裕斗(3年)が狙うもシュートは相手選手にブロックされてしまった。対する清水桜が丘は右サイドのMF八木亮太(3年)がスピードに乗ったドリブルで好機を生み出そうとするが、なかなかフィニッシュまで持ち込めない時間帯が続く。

 すると、試合開始前から降り出していた雨が前半途中から滝のような豪雨に。ピッチに水がたまってボールが止まる場面が目立ち始め、両チームともに攻撃の組み立てに苦戦。ショートパスをつなぐことが難しい状況になると、雨の影響を受けないロングボールに活路を見出そうとする。興國を率いる内野智章監督は「蹴って、セカンドボールを拾い、追っかけ合いになれば(50メートル走が)5秒台の3トップの強みが出る」と悪天候の中、前線のスピードを生かしたサッカーに転換して「良い経験になった」と話しながらも、「でも、いつもと違うサッカーになってしまったので、もう少し良い天候でやれたら良かった」とあまりのどしゃ降りとなった試合に苦笑するしかなかった。

 後半に入って雨足が弱まると、前半から全選手を入れ替えた興國が一気に流れを引き寄せる。その中心となったのが、愛媛加入内定が発表されているFW中川裕仁(3年)だ。まずは後半9分、強引にPA内で突破を図ってクロスを送ると、DF佐藤海斗(3年)がつないだボールをMF内山颯基(3年)が蹴り込んで2点目。さらに同18分にPA内でボールを受けると鋭い反転からの左足シュートでネットを揺らし、同29分には右サイドから切れ込んで複数の相手選手を置き去りにして再び左足でゴールを陥れ、興國のリードは4点差に広がった。

 何とか反撃に出たい清水桜が丘は前線のFW加藤維吹(3年)、FW植田遼太郎(2年)らがゴールに迫ろうとするが、興國の守備を崩し切れず。同40分には左サイドを深くえぐった中川のラストパスからMF古川大樹(3年)が決め、興國が5-0で圧勝した。

「プロになる選手が3人いて、全国に出られないところはなかなかないと思う」(内野監督)

 興國は中川の他に、DF起海斗(3年)が山口、FW村田透馬が岐阜への加入内定が発表されているが、指揮官が「スーパーな選手だったので、代えが利くことはない」と語る起が負傷離脱。約2週間後に迫る選手権予選に向けて「代役探しが最大の課題」という状況で、「中盤でずっと出ていた」DF鈴木裕斗(3年)や「右SBをやっていた」DF佐藤海斗(3年)らを起が担っていた左SBで試し、その穴を最小限にとどめようとしている。

「大阪は本当に強い。良い指導者がいて、良い選手、良いチームがたくさんいる。日本一シビアだと思う」。大阪府予選を勝ち抜くことが厳しいことは重々承知しているが、そこを勝ち抜かなければ全国行きの切符が手に入ることはない。起の穴を埋めつつ、「興國らしいサッカー」で大阪の猛者と渡り合うため、そして選手権初出場を果たすため、着々と準備を進めていく。

(取材・文 折戸岳彦)
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