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[少年男子]個人戦術ベースに個性発揮の新潟県、191cmGKヒルの壁破って鹿児島県に快勝

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後半18分、新潟県はMF反町太郎が決めて2-0。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[9.30 国体少年男子1回戦 鹿児島県 0-2 新潟県 テクノポート福井総合公園 芝生広場]

 第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体2018」サッカー競技が30日に開幕した。16歳以下の都道府県選抜チームで争われる少年男子の部1回戦で、鹿児島県と新潟県が激突。新潟県が2-0で勝ち、茨城県との2回戦へ進出した。
 
「まず、個人戦術」(北垣大介監督、FC五十嵐ジュニアユース)をベースにチームとしての力を高めてきた新潟県が快勝した。立ち上がり、入り良く試合を進めた新潟県は、鹿児島県の背後を突く形でシュートチャンスを連発。3分には推進力十分のFW長内宏充(1年)がDFと入れ替わってボールを収め、決定的な右足シュートを放つ。

 ボールを支配する時間を伸ばし、主導権を握った新潟県は相手のバイタルエリアにできたスペースへMF矢尾板岳斗(帝京長岡高2年)やMF本田修也(新潟U-18、2年)、MF小田奏(新潟U-18、1年)が入り込み、U-16日本代表の中学3年生右SB森田翔(新潟U-15、中3)がダイナミックな動きで攻め上がってくる。

 一方の鹿児島県は注目の191cmGKヒル袈依廉(鹿児島城西高1年)の鋭いシュートストップや新潟県のシュートミスで何とか失点を逃れると、徐々に落ち着いてMF下川床勇斗(神村学園高1年)の左足キックやFW{{寺田聡(神村学園高1年)のスピードを活かして反撃。敵陣でボールを奪ってからシュートへ持ち込むシーンを増やした。

 だが、試合の主導権を渡さない新潟県は細かなパスワークと矢尾板のドリブルなどで攻め続ける。そして29分、中央の本田からのパスを右中間で受けたMF田中克幸(帝京長岡高2年)が、飛び込んできたDFを冷静に外し、左足で決めて先制した。

 先制された鹿児島県は後半開始から10番MF永吉飛翔(神村学園高1年)を投入。DFライン背後へのボールを多用しながら同点ゴールを目指す。そして15分にはMF永井利政(鹿児島城西高1年)の縦パスでFW沖田陸(神村学園高1年)が抜け出すが、シュートはわずかにゴール右。逆に新潟は15分、田中の右CKを投入されたばかりのMF反町太郎(新潟明訓高1年)が頭で決めて2-0とした。
 
 鹿児島県は永吉のキープ力をアクセントに反撃したが、新潟県は北垣監督が「仕事人と呼んでいます」と説明するMF川上航立(帝京長岡高1年)がインターセプトした勢いのままゴールへ迫るなど試合の流れを渡さない。鹿児島県は28分に右サイドから逆サイドまでボールを動かして下川床がフィニッシュ。アディショナルタイムには左サイドから縦に仕掛けて切り返した下川床がPKを獲得する。

 だが、下川床が自ら放った左足シュートを新潟県GK土山龍都(新潟U-18、1年)が右に跳んでストップする。そのまま2-0で試合終了。U-13時代から個人戦術の部分を求められ、高めてきたという新潟県はこの日、チャンス、ピンチになる肝の部分を選手たちが見て、判断して押さえ、また長内の力強さや矢尾板のキープ力などで差も作り出して勝利した。

 新潟県の過去最高成績は14年の4位。北垣監督は「目標は1回到達したところ以上。まずは一つ一つ」と語り、田中は「次、茨城で(関東予選で前回優勝の)神奈川を倒して強いと思う。まず勝てるように全員で頑張りたい」と意気込んだ。好スタートを切った新潟県が次は関東勢撃破を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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