beacon

[MOM2622]中京院中京FW鍵谷一誠(3年)_ 「総体を経験して一番思ったのは…」過去の自分とはサヨナラ

このエントリーをはてなブックマークに追加

先制点を奪った中京学院大中京高FW鍵谷一誠(3年=72)が仲間の祝福を受ける

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.30 adidas Festival 2018 in IBARAKI 鹿島学園高0-2中京学院大中京高 鹿島学園高校サッカー場]

 ワンチャンスだったのかもしれない。しかし、その好機に対してしっかりと準備をしていた。中京学院大中京高FW鍵谷一誠(3年)は、きっちりとゴールネットを揺らして自身の成長を結果で示した。

 25分×3本の1本目に先発出場を果たして最前線に入った鍵谷だったが、鹿島学園に押し込まれる時間帯が続いたこともあり、なかなか好機に顔を出せない。しかし、21分にワンチャンスをモノにする。左サイドをFW片岡諒輔(3年)が突破すると、中央に位置する鍵谷は「相手が前にいたから、自分も前に行き過ぎるとニアで取られると思ったので間に入った」とあえてボールには寄らずに、相手選手との距離を取る。すると、片岡のラストパスはピタリと鍵谷へと届けられ、「左サイドから良い位置にボールが来たので、あとは合わせるだけだった」とゴールを陥れて先制点を記録した。

「最近はなかなか決められていなかったので、1試合1試合、一つのチャンスをモノにできるように意識していた」

 FWとして出場する以上、もっとも求められるのはゴールだと理解している。そして、その思いを強めたのは今夏の全国高校総体を経験したからこそだ。雷雨の影響でキックオフが3時間遅れるアクシデントがあった高校総体初戦の作陽戦。先発出場を果たした鍵谷はゴールを奪うことなく42分にピッチを後にし、チームも0-1の完封負けを喫して大会から姿を消した。

「本当に悔しかった。インターハイを経験して一番思ったのは、ボールを受けてはたいたり、キープすることが多く、自分自身の中で点を取ろうとする意識が弱かった。ああいう試合でどれだけ決められるか。それがトップの仕事だし、大切なこと」

 1年次だった2年前、チームは選手権出場を果たしており、自身も登録メンバー入り。「ベンチからずっと見ていた」ように、出場機会が訪れることはなかったものの、「すごいワクワクしたし、良い経験だった。自分の代でもまた来たいと思った」と目標は、より明確なものとなった。「自分の代」で再び全国行きの切符を手に入れるため、チームに勝利をもたらすゴールを貪欲に狙っていく。

(取材・文 折戸岳彦)
●adidas Festival 2018 in IBARAKI特集

TOP