beacon

[関東]上田綺世の後期初ゴールで法政大が桐蔭横浜大と辛くもドロー

このエントリーをはてなブックマークに追加

FW上田綺世が後期リーグ3試合目で初ゴールを決めた

[9.30 関東大学L1部第14節 法政大1-1桐蔭横浜大 BMWス]

 9月30日、関東大学サッカー1部の第14節がBMWスタジアムで行われ、第1試合では法政大桐蔭横浜大が1-1で引き分けた。勝ち点21とした法政大は4位に浮上。同15とした桐蔭横浜大は9位のまま。

 先制点は桐蔭横浜大が奪った。前半10分のMF鳥海芳樹(2年=桐光学園高)のマイナスクロスに飛び込んだFW菅原圭介(4年=ふじみ野高)のダイビングヘッドは枠上に外れたが、同17分、右サイドから抜け出したDF打越大樹(4年=市立船橋高)がGK吉田舜(4年=前橋育英高)との1対1を制して、スコアを動かした。

 反撃したい法政大もエースFW上田綺世(2年=鹿島学園高)にボールを集めてゴールを目指す。しかし前半32分、エリア手前で切り返しでDFを外した上田の左足シュートはわずかに枠左に外れる。前半ラストプレーとなったCKを合わせたDF前谷崇博(4年=G大阪ユース)のヘディングは、GK児玉潤(3年=東京Vユース)の横っ飛びで防がれた。

 後半の立ち上がりも法政大が攻め込むが、後半3分の上田の反転シュートはGKの腕の中に収まる。逆に同9分にMFイサカ・ゼインにミドルシュートを許す。しかしこれは右ポストに救われ、追加点にはならなかった。

 前半から晴れ間が見える中で行われた一戦だったが、後半途中から細かい雨が降り始める。法政大は後半17分にMF田中和樹(1年=浦和学院高)に代えてMF佐藤大樹(1年=札幌U-18)、同25分にMF森俊貴(3年=栃木SCユース)に代えてMF長谷川元希(2年=大宮ユース)、そして同31分にはMF下澤悠太(3年=柏U-18)を下げてMF末木裕也(3年=甲府U-18)を送り込み、変化を求める。

 すると後半41分、やはりこの男がしっかりと結果を出す。エリア内で前谷からの縦パスを受けた上田は、4人ほどのDFに囲まれながらもコースを作って左足を振り抜く。力強いシュートはGKの脇を抜け、ゴールに突き刺さった。

 相手の絶対的エースを終盤まで封じていた桐蔭横浜大だったが、最後の最後にゴールをこじ開けられてしまった。安武亨監督も「決める選手がいるかの差」と脱帽。これで後期は3戦連続ドローということもあり、「法政大相手の勝ち点1は評価できるが、このリーグで勝つのは本当に難しい」と悔しさを隠し切れない様子だった。

 一方の法政大も何とか勝ち点1をもぎ取ったものの、後期は2分1敗。まだ勝利がない状況が続く。エースの決定力に救われた形だが、上田自身は前節はシュート7本が空砲。今節もシュート4本目での後期初ゴールだった。「いくら外しても信じてやり続けるのは僕のスタイル」とはいうものの、「負けなかったことで変われるかなと思うけど、まずは1勝したい」と結果が出ないチーム状態へのもどかしさも吐露する。

 長山一也監督も「いい時はどのポジションでも点が取れるが、今は上田だけになっている。今日も『俺が勝たせてやるという意識をもってやれ』と送り出したんですが、慎重になり過ぎている」とイレブンの意識の低下を懸念。「周りが気を使い始めている。“上田さまさま”になっている。サッカーは団体スポーツ。いい意味で綺世の良さを使えていない」と課題を挙げていた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第92回関東大学L特集

TOP