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元日本代表・前園真聖氏が明かす「ダノンネーションズカップ2019 in JAPAN」の魅力

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前回の日本大会が行われた4月、子供たちとともに会場を歩いて回る前園真聖氏

小学生年代のW杯とも言われる「ダノンネーションズカップ2019 in JAPAN」の予選エントリーが3日に終了し、日本全国から220チームの応募があった。9日に大会ホームページで出場チームが発表される。大会アンバサダーをつとめる元日本代表MFの前園真聖氏が大会の意義をこう明かした。

「普段は自分の地域でやっていたのが、地域から全国、さらには世界へつながる。この年代のW杯といっても過言ではない大会です。(ロシアW杯でフランス代表の優勝に貢献した)19歳のムバッペだってさらに若い頃に『経験』があったはず。W杯に出て初めて世界を経験するのではなく、この世代で世界を経験することがとても大事だと思います。だからこそ、U12の年代で世界に直接つながるこの大会は価値があると思うんです」

 世界32か国から約250万人が参加するこの大会には、9月のアジア大会で森保ジャパンの中心を担った三好康児(札幌)や、元日本代表の清武弘嗣柿谷曜一朗(ともにC大阪)、齋藤学(川崎フロンターレ)、指宿洋史(ジェフユナイテッド千葉)が世界大会に出場した。名門・鹿児島実2年で高校選抜のドイツ遠征で初めて海外を経験し、「今の自分で満足してはダメ、という意識になった」という前園氏は、日本人の課題をこう明かす。

「一番足りないところはメンタルだと思います。なぜかといえば、海外ではレフリーだって日本語で指示はしないし、向こうのチームに今すぐに行って、パッとしゃべれるか、といったら、それができる選手は極めて少ないと思う。海外では『パスをよこせ』と自分からチームメートに声を掛けたり、ピッチを離れたところでのコミュニケーションも大事。そこが伴わないと結局、ピッチでも評価されない。その辺りの感覚を12歳で感じられることは、必ず財産になると思います」

 前園氏は東日本大震災から7年ぶりに再開した福島・Jビレッジで開催される東北エリアを観戦予定。さらに2018年からはじまった女子大会は規模を拡大し、今大会は地方予選もスタートする。

「なでしこジャパンが2011年のW杯で優勝し、それ以降はサッカー教室でも男子に交じって必ず女子選手の姿を見るようになりました。女子の大会はそんなに多いわけではないので、この大会はすごくいいモチベーションになると思います」。

 前園氏は参加する選手たちへこうエールを送った。
「いいプレーをしたら世界の強豪クラブから『引き抜かれる』ことが、夢ではなく現実にあり得ると思います。参加する選手は、そこにつながっていることをわかってほしい。この大会に出た選手の中から、必ず日本を背負う選手が出てくる。そういう意味で今から楽しみです」

(取材・文 林健太郎)

▼ダノンネーションズカップ2019INJAPAN

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