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[少年男子]守備に重きを置いて戦い、勝負の後半にエースが決勝点!千葉県が7年ぶりの準決勝進出!

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後半33分、決勝点を喜ぶ千葉県イレブン。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.2 国体少年男子準々決勝 佐賀県 0-1 千葉県 三国運動公園陸上競技場]
 
 第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」少年男子の部は2日、準々決勝を行った。佐賀県と千葉県との強豪対決は千葉県が1-0で勝利。千葉県は優勝した11年以来の進出となる準決勝(3日)で埼玉県と戦う。

 鳥栖U-18、U-15の選手を先発に並べる佐賀県は前日の初戦で2年連続ファイナリストの広島県を激闘の末、3-2で撃破。その初戦と同じ先発11人で臨んだ佐賀に対し、千葉県は今大会3試合目でエースFW田村蒼生(柏U-18、1年)をベンチスタートさせた。

 前半、よりボールを支配した佐賀県はFW秀島悠太(鳥栖U-18、2年)のポストプレーや、司令塔のMF西村洸大(鳥栖U-18、1年)の正確なサイドチェンジを交えて揺さぶりをかける。10分には左中間を抜け出したFW中村尚輝(鳥栖U-15、中3)が左足シュート。これは千葉県GK倉田一唯(日体大柏高2年)のファインセーブに阻止されたが、西村が攻め上がりからワンツーで右サイドを打開してクロスへ持ち込むなど相手ゴールを脅かした。

 対する千葉県は、FW清水勇貴(柏U-18、1年)とFW齋藤騎斗(柏U-18、1年)が身体を張ってボールを収めて前線でポイントを作ろうとする。シンプルに彼らへボールを入れたり、快足MF畑大雅(市立船橋高2年)の前方のスペースを活用。26分には中盤から飛び出したMF揖斐俊斗(柏U-18、1年)の左クロスがゴール前に入るなどスピードある攻撃でチャンスを作り返した。

 千葉県は0-0の後半開始からプラン通りに田村を投入。直後には畑が右サイドを強引に抜け出し、10分にも清水のループパスに畑が反応する。対する佐賀も11分に182cmFW田中禅(鳥栖U-18、1年)をピッチに送り出し、前線に高さを加えた。

 両チームDFラインがゴール前で集中した守りを見せるなどスコアが動かないまま時間が経過する。1試合少ない佐賀県がやや押し込んで試合を進め、25分にはMF相良竜之介(鳥栖U-18、1年)が左サイドを攻略して決定機を演出。だが、千葉県は「身長は小さいけれども、クロスに対する前への推進力は長所だと思っているそれは見せられればと思ってやっていました」という倉田や読みと動き出しに優れたCB戸田伊吹(柏U-18、1年)、間合い良くボールを奪うMF佐久間賢飛(市立船橋高1年)が中心となって守り、決定打を打たせない。

 試合はスコアレスのまま終盤へ。千葉県の谷口新太郎監督(東京学館高)は「守備、守備と言ってやってきました。(前回準優勝の)広島から3点獲っているチームをゼロに抑えた」ことを喜ぶ。相手の堅守の前に攻めあぐねた佐賀県に対し、千葉県はカウンターやスペースを突いた攻撃が形になりだしていた。

 30分、DFラインから冷静にボールを繋いた千葉は、ドリブルで一気に中央のスペースへ持ち込んだ田村がPAから右足シュート。そして33分、再び田村の仕掛けで押し込むと、PA右寄りの位置でこぼれ球を拾った畑が強引にエンドライン際まで切れ込んでクロスを上げる。ニアでFW本吉利安(千葉U-18、2年)が潰れ、ファーサイドでフリーの田村がシュート。一度は止められたものの、跳ね返りをゴールに押し込んだ。その後、佐賀県の反撃をかわした千葉県が7年ぶりのベスト4進出を決めた。

 千葉はこの勝利によって決勝、3位決定戦が行われる最終日(4日)まで大会に残ることが決定。谷口新太郎監督(東京学館高)は「佐賀はきょうの2試合目まで。ウチは5試合やるからなと話していました」と振り返る。優勝まであと2勝。昨年の経験者である倉田は「去年もこの大会出ていて、その時は2回戦で負けて悔しい思いがあった。絶対に優勝するという思いがあった。失点しなければ負けない。後ろがゼロで抑える」と守備からの姿勢を継続し、この日のように守り抜くことを誓った。

 次は埼玉県との関東勢対決。決勝戦のようなカードが続く戦いで千葉県はまた守備からリズムを作り、チャンスを確実にものにして勝利する。

(取材・文 吉田太郎)
●第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」特集

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