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[少年男子]茨城県との気持ち、球際勝負制す!昨年超え、日本一狙う青森県が2年連続ベスト4進出!

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MF内間隼介(8番)の先制点を喜ぶ青森県の選手たち。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.2 国体少年男子準々決勝 青森県 3-0 茨城県 三国運動公園陸上競技場]

 第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」少年男子準々決勝が行われ、青森県が3-0で茨城県に勝利。2年連続でベスト4進出の青森県は3日の準決勝で石川県と戦う。

 青森山田中高の選手で構成されたメンバーで初優勝を狙う青森県が、2試合連続無失点で準決勝進出を決めた。宮本徹郎監督(弘前実高)は「チームとしてやるべきことを徹底してやれた。相手の攻撃の変化に対して選手が臨機応変にやってくれた」と讃え、今大会注目のMF藤原優大(青森山田高1年)は「球際、競り合いとかに重きを置いているチーム同士で負けられなかったし、気合入っていた」と振り返る。指揮官が「絶対に負けるな」と伝えていたという球際、ハードワーク、そして気持ちの戦いで引かずに無失点の青森県が白星を勝ち取った。

 先にビッグチャンスを作ったのは茨城県だった。前半4分、MF舩橋佑(鹿島ユース、1年)のスルーパスでDFラインの背後を取ったFW飯塚輝(鹿島ユース、1年)が決定機を迎えるが、シュートは枠外。だが、その後も縦への攻撃の強みやFW梅津凜太郎(鹿島ユース、1年)のロングスローで青森県DF陣にプレッシャーをかける。

 一方、立ち上がりこそピンチがあったものの、青森県はボール奪取の部分で目立つMF松木玖生(青森山田中、中3)と高さのある藤原のボランチコンビが存在感ある動き。DFラインも不安定だった立ち上がりから立て直して秋元琉星(青森山田高1年)と金和樹(青森山田高1年)のCBコンビ中心に相手の攻撃を跳ね返していく。

 先制のチャンスをモノにできなかった茨城県に対し、青森県は2トップのスピードを活かした攻撃やセットプレーで対抗。そして、チームの特長であるサイド攻撃で茨城県の守りを攻略した。27分に松木が個人技で右サイドを破ったシーンは決めきれなかったものの、30分に茨城県ゴールを破る。

 右サイドで前を向いたSB藤田夏寿丸(青森山田高1年)がDFラインとGKの間へグラウンダーのアーリークロス。中央のFW粟津瑠来(青森山田高1年)がわずかに触ると、その後方で詰めていたMF内間隼介(青森山田高1年)がゴールへ押し込んだ。

 先制された茨城県はポゼッションへシフト。後方から正確にパスを動かし、「攻める」茨城県、「守る」青森県の展開となった。その上で茨城県は気持ちが伝わってくるようなプレーをしていたCB国府田宗士(鹿島ユース、1年)が幾度か最終ラインを飛び出して攻撃参加。良い形でボールを奪った際には速攻に出た。だが、ここでのパスミスが多く、クロスの精度も欠いて「自分はハイボールとか自信ある。自分が出るべきところはしっかり出れたかなと思います」というGK韮澤廉(青森山田高1年)に対応されてしまう。

 青森県は相手のポゼッションに対してコンパクトな守備で対応。守備の時間が増えていたが、1対1の勝負で負けず、連動した動きで相手のミスを誘っていた。そして切り替えの速い攻撃。また、奪ったボールを松木が落ち着かせるなど冷静に戦っていた印象の青森県は25分、中盤中央で前を向いた藤原が右MF安斎颯馬(青森山田高1年)とのワンツーでPAへ割って入り、右足シュート。大黒柱の大仕事によって2-0と突き放した。

 茨城県は国府田を前線に上げる攻撃も実らず。対して青森県は35分にもカウンターで交代出場FW鈴木遼(青森山田高1年)が独走。シュートはGKに阻まれたが、攻め返そうとする相手から安斎がボールを奪い返して右足で決定的な3点目を奪った。

 残り時間も集中した守りを見せた青森県が3-0で快勝。初のベスト4進出となった昨年に肩を並べた。宮本監督は「(選手たちは)昨年よりも先へ行こうという目標を持っていると思う」と語り、昨年の経験者でもある藤原は「(1年前に)来年、絶対に獲りたいと思ってやってきた。歴史を塗り替えたいという思いは大きいです」と力を込めた。

 準決勝の対戦相手は12年ぶりに4強入りした石川県。韮澤は「石川も強豪を倒してきている。後ろが無失点で抑えれば勝ちに繋がると思うので、守備から」と引き締めた。準決勝でもそれぞれがやるべきことを徹底して初の決勝進出を勝ち取る。

(取材・文 吉田太郎)
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