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[少年男子]質高い攻撃続けた埼玉県が石川県の勢い止め、17年ぶり5回目の日本一!!

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埼玉県が国体制覇!(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.4 国体少年男子決勝 埼玉県 1-0 石川県 テクノポート福井総合公園スタジアム]

 埼玉県が国体制覇! 第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」サッカー競技少年男子の部決勝戦が4日に行われ、埼玉県が石川県に1-0で勝利。17年ぶり5回目、06年のU-16大会以降後は初となる国体制覇を成し遂げた。

 質の高い、多彩な攻撃によって対戦相手を上回り、17年ぶりの決勝進出を果たした埼玉県と、初戦から4試合全てで先制されながらも逆境を跳ね除けて初の決勝まで勝ち上がってきた石川県との決勝戦。平成最後の国体少年サッカー競技の頂点には、埼玉県が立った。

 4-5-1システムの埼玉県はGKが主将の久保賢也(大宮ユース、2年)、不動の4バックは右SB山田結斗(大宮ユース、1年)、CB田中颯太(大宮ユース、2年)、CB村上陽介(大宮ユース、2年)、左SB佐藤優斗(浦和ユース、1年)、中盤は谷口大晟(大宮ユース、1年)と盛嘉伊人(浦和ユース、1年)のダブルボランチでトップ下が柴山昌也(大宮ユース、1年)。右MF松村大也(浦和ユース、1年)、左MFが4戦連発中の須藤直輝(昌平高1年)、そして1トップは大澤朋也(大宮ユース、1年)が務めた。

 一方、初の決勝進出で初優勝を狙う石川県も4-5-1システム。GKは紙谷正平(金沢U-18、2年)で4バックは右SB福地優穏(遊学館高2年)、CB別宗裕太主将(星稜高2年)、CB藤田隼矢(金沢U-18、1年)、左SB内山仁(鵬学園高1年)。中盤は佐々木楓(金沢高2年と安納透也(金沢U-18、1年)がダブルボランチを組み、トップ下が宮本貫太(金沢U-18、1年)。右MF内藤誠吾(遊学館高2年)、左MF酒尾竜生(金沢U-18、1年)、そして1トップには今大会得点ランキング首位の駒沢直哉(金沢U-18、1年)が入った。

 試合は立ち上がりから埼玉県がボールを支配した。そしてバイタルエリアから須藤や大澤が個人技で突破にチャレンジ。4分には大澤とのコンビネーションで右中間を抜け出した盛が右足シュートを放つ。

 だが、石川県はGK紙谷が反応して最初の決定機を阻止すると、その後は距離間の良い守りを継続。多くの時間帯で埼玉県に良い形での崩しを出させない。そして、押し込まれる展開でも常に攻める姿勢を持ち続けて快進撃を続けてきた石川県は、幾度か良い形でボールを奪い、前を向いた酒尾や駒沢が仕掛けて見せる。

 自力のある埼玉県は停滞する時間を増やさずに多彩な攻撃を見せる。中盤で相手のマークを剥がして大きく前進したり、谷口のサイドチェンジなどで相手に的を絞らせない。27分には田中の斜めのパスを起点に盛のスルーパスで松村が抜け出す。だが、右足シュートはゴール左へ。その後もエース柴山がワンツーから左足シュートを放つなど石川県にプレッシャーをかけた。一方の石川県も前半終了間際に右中間を抜け出した内藤が切り返しでDFを外して左足シュート。だが、ヒットせず、0-0で前半を終えた。

 石川県は後半開始から酒尾に代えてMF小林大佑(金沢U-18、2年)を投入。後半6分にはその小林から斜めのスルーパスが入り、内藤がGKをかわすが左足シュートはポスト左へ外れてしまう。

 埼玉県はその直後、松村に代えてMF木下翼(浦和ユース、1年)を投入。石川県も宮本に代えてMF鈴木嶺騎(鵬学園高1年)をピッチへ送り出した。この後互いにゴール前のシーンを作り出す中、埼玉県がスコアを動かす。

 16分、左中間で須藤と盛がボールをキープし、中央の柴山へ繋ぐと、柴山が左足アウトで1タッチスルーパス。これで抜け出した大澤が飛び出してきたGKを左足ループシュートで破り、先制した。

 大澤はサブ組のいるコーナー方向へ歓喜のダッシュ。その背番号16を中心に埼玉県の選手、コーチ陣が喜びを爆発させた。だが、石川県は非常に粘り強い好チーム。鈴木の右足ミドルや駒沢の鋭いターン、ドリブルなどで攻め返した。

 それでも、攻撃の手を緩めない埼玉県は大澤や柴山のミドルシュートで2点目を狙う。27分には盛に代えてMF中山昂大(大宮ユース、1年)を投入。31分には柴山のスルーパスで抜け出した大澤がGKとの1対1から左足を振り抜くが、再三好守を見せていた石川県GK紙谷が立ちはだかる。

 埼玉県は35分、大澤に代えてFW山内太陽(昌平高2年)を、さらにアディショナルタイムには柴山に代えてFW堀井真海(浦和ユース、1年)を送り出す。諦めない石川県は終了間際にセットプレーなどからゴールを目指したが、久保や村上、田中を中心に守る埼玉県ゴールを破ることができなかった。

“埼玉らしい”質の高さと多彩な攻撃、我慢強い守備を決勝でもやり抜き、「優勝が目標」(大野恭平監督、大宮南高)へ向かって走り抜いた埼玉県が、国体日本一に返り咲いた。

(取材・文 吉田太郎)
●第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」特集

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