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埼玉県の流れ変える存在、MF木下は偉大な先輩ドリブラーたちのように

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埼玉県の攻撃の流れを変えるドリブラー、MF木下翼。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.4 国体少年男子決勝 埼玉県 1-0 石川県 テクノポート福井総合公園スタジアム]

 0-0のハーフタイム、埼玉県の先発左SB佐藤優斗(浦和ユース、1年)とベンチスタートだったドリブラー、MF木下翼(浦和ユース、1年)が強く手を叩きあっていた。「(佐藤とは)レッズで一緒。いつも左サイドでコンビを組んでいるので、気合を入れるためにいつもやっている」というルーティーン。準決勝の先発からこの日ベンチスタートとなっていた木下は、気合を入れ直すと後半8分からピッチに立った。

 持ち味は相手のタイミングを外し、一瞬の切れ味でDFを攻略するドリブル。チームの状況を見て、流れが悪い時は強気に仕掛けることを意識しているという。0-0で投入されたこの日、「相手が疲れているから積極的に行こうと思っていました」と振り返る木下は、右サイドからのドリブルで石川県にプレッシャーをかけた。

 今大会は右サイドでプレー。普段プレーする左サイドとは逆側だったが、「他の県の上手い選手とかを参考にさせてもらって、自分のタイミングを上手く行かせたかなと思います」。全国トップレベルのプレーヤーたちを参考に右サイドからでも各試合で決定機を作り出したり、アシストしたりしてチームの勝利、日本一に貢献した。

 所属する浦和ユースはFW原口元気(現ハノーファー)やMF関根貴大(現シントトロイデン)ら個性的なアタッカーを輩出している。「原口選手とか色々な選手が出てきている中で自分がその一人になれるように頑張っていきたいと思っています」。国体で学んだことをチームに持ち帰り、連戦の戦い方などを共有。個人としては、より止まらない存在になって先輩たちに続く。

(取材・文 吉田太郎)
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