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ユース取材ライター森田将義氏が選ぶ「国体で代表入りへの可能性を示した」11傑

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森田氏が「MVP級だった」と評したFW田村蒼生(千葉県)。(写真協力=高校サッカー年鑑)

 第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」サッカー競技少年男子の部は10月4日に決勝戦を行い、埼玉県が17年ぶり5回目の優勝を飾りました。U-16年代の都道府県選抜チーム24チームが熱戦を繰り広げた国体少年男子の部。関西を中心にジュニアから大学生、Jリーグまで精力的に取材する森田将義氏に同大会で印象的なプレーを見せた11人を紹介してもらいます。

森田将義氏「国体少年男子の部は各地域の予選を勝ち抜いた24チームから16選手ずつ合計384人もの選手が参加する“見本市”のような大会で、日本サッカー協会の関係者やJリーグのスカウトが目を光らせるのが特徴だ。今年は大会期間中に同世代の選手たちが、FIFA U-17ワールドカップ ペルー 2019への出場権を獲得したため、自分たちも『世界行き』を狙おうと多くの選手が発奮。大会に出場した選手の中から、今後代表に食い込む可能性を秘めた選手をピックアップした」

以下、森田氏が選ぶ国体11傑

GKヒル袈依廉(鹿児島県/鹿児島城西高1年)
「新潟県戦で2失点し、初戦で大会を去ったが、垣間見せたポテンシャルの高さはNo.1。191cmの高さを活かしたハイボールの強さだけでなく、勢いよく前方に飛び出し、決定機を阻止した。コーチングなど課題も残すが、今後への期待を抱かせるには十分なパフォーマンスだった」

DF畑大雅(千葉県/市立船橋高2年)
「『精神的に引っ張るタイプではないので、プレーで違いを見せて、チームを盛り上げたい』と気合を入れて挑んだ今大会は本職の右SBではなく、一列前でプレー。持ち味であるスピードに乗った突破を繰り返し、何度も決定機を演出した」

DF別宗裕太(石川県/星稜高2年)
「自主練で磨いてきたというヘディングの強さが光るCB。自分よりも大柄な選手を上回る競り合いの強さとこぼれ球の回収を何度も披露し、ピンチを防ぎ続けた。辻田真輝監督が『私自身が驚いている』話す石川県の快進撃は、別宗を中心とした粘り強い守備があったからだ」

DF田中颯太(埼玉県/大宮アルディージャユース2年)
「チームではクロスが売りの右SBだが、埼玉県ではCBとしてプレー。不慣れなポジションながらも頭を使った守りと、中学時代からのチームメイトであるDF村上陽介との息の合った連携で堅守を支えた。将来の目標は『ジュニアからずっとプレーしているので、クラブ愛は強い』という大宮でのトップ昇格だ」

MF内藤誠吾(石川県/遊学館高2年)
「初の決勝進出を果たした石川県を牽引した攻撃の元気印。素走りは決して速くないが、『負けず嫌いなので、相手やボールを追いかけたら速く走れる』という特性を活かした飛び出しと仕掛けを右サイドで繰り返し相手の脅威になり続けた」

MF森田凛(徳島県/徳島ヴォルティスユース2年)
「繊細なボールタッチを活かした持ち運びと散らしで攻撃のリズムを作る大型MF。課題だった守備も羽地登志晃監督から与えられた『刈り取れる選手になれ』というミッションをこなすことで向上しており、今大会でも接触を恐れず相手に向かっていく場面が目についた」

MF川上航立(新潟県/帝京長岡高1年)
「派手さはないが、チームへの貢献度は今大会でも屈指。常に的確なポジションをとり、攻守両面で効果的なプレーを繰り返すボランチで、北垣大介監督も『地味だけど、仕事人。どこが危険で、どこがチャンスか分かっている』と高く評価する。

MF藤原優大(青森県/青森山田高1年)
「すでに名門校でコンスタントに出場機会を掴むように実力は本物だ。中学3年生で挑んだ昨年の国体は、3位決定戦で自らのオウンゴールで敗れ敗退。リベンジを誓った今年は、高さを活かした跳ね返しと正確な展開で格の違いを見せつけた」

MF柴山昌也(埼玉県/大宮アルディージャユース1年)
「テクニカルな選手が揃う埼玉県の中盤でも、センスの高さがキラリと光る。左足に吸い付くかのようなボールタッチと軽やかな身のこなしを活かしたドリブルが武器だが、大野恭平監督が『相手を見てプレーできるし、相手の変化に対応できる』と評するようにパスの判断も秀逸だ」

FW杉村駿介(山口県/レノファ山口FC U-18、1年)
「『Jリーグで見ても小さい選手はたくさんいるので、僕も見習っている』と口にするように大会に登録された選手の中で2番目に小さい159cmの身長はハンデではなく、武器だ。初戦敗退で終わったが、小柄な体格と速さを活かした飛び出しとドリブルで強豪・大阪府を苦しめ、強烈な印象を残した」

FW田村蒼生(千葉県/柏レイソルU-18、1年)
「本職はMFだが、今大会はFWとして出場。チャンスには常に顔を出す嗅覚の鋭さと小技と駆け引きに優れたドリブルで相手を翻弄し、大会MVP級の活躍を見せた。そのインパクトは準決勝を終えた後に、勝った埼玉県の選手が『10番はバケモノ』と口にしていた程」

執筆者紹介:森田将義(もりた・まさよし)
1985年、京都府生まれ。路頭に迷っていたころに放送作家事務所の社長に拾われ、10代の頃から在阪テレビ局で構成作家、リサーチとして活動を始める。その後、2年間のサラリーマン生活を経て、2012年から本格的にサッカーライターへと転向。主にジュニアから大学までの育成年代を取材する。ゲキサカの他、エル・ゴラッソ、サッカーダイジェストなどに寄稿している。
●第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」特集

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