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武者修行中23歳が布陣変更のキーマンに…甲府DF高野遼「頭の使い方を学んでいる」

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左サイドでチャンスの起点となったヴァンフォーレ甲府DF高野遼

[10.6 J2第36節 東京V0-1甲府 味スタ]

 前半20分過ぎのテコ入れが奏功したヴァンフォーレ甲府。布陣変更のキーマンとなったのは左ウイングバックのDF高野遼だった。横浜F・マリノスから武者修行中の23歳は苦手分野の意識を高め、持ち味の生かし方を学びつつあるようだ。

 2017年春、日本体育大から横浜FMに加入。小中高と9年間過ごしたクラブへの帰還を果たしたが、現実は甘くはなかった。「正直、大学では身体でしかサッカーしてなくて、J1で通用しない部分がたくさんあった」。入団から半年後の8月、甲府への武者修行を選んだ。

「このままでは通用しないので、もっと基礎的なことを学びたくて、また試合に出たくて甲府に来た」。昨季のJ1リーグ戦では8試合1得点。チーム状態が上がらなかった甲府はJ2に降格したが、期限付き移籍の期間を延長し、残留するという道を選択した。

「達磨さん(吉田達磨前監督)、そして上野監督(上野展裕監督)の下で、頭を使いながらプレーする部分を学んでいる。コーチの方々もたくさんアドバイスしてくれる。頭の使いどころ、味方の動きを見ながらプレーするという余裕が出てきた」。

 頭を使う意識を高めたことで、持ち味である「突破からのクロス」の使いどころも理解できてきたという。第36節の東京V戦でも3-5-2への布陣変更を契機に「プレスに行けるようになった」と好パフォーマンスを発揮。前半29分、FWジュニオール・バホスの決定的なシュートを導くと、同31分にはサイドチェンジで決定機の起点となった。

「相手はサイドの1対1でしかけられるほうが嫌そうだった」と相手の様子を振り返った高野は「ああやって突破からクロスで合わせるのが自分の特長。最低限の仕事はできた」と手応えを得た様子。周囲との連携についても「クロスは練習でもやっているので、中を見なくても味方がいるのが分かる」と自信をのぞかせた。

 この日の勝利でチームは3連勝を達成。序盤は昇格チームらしからぬ低調が続いていたが、ようやくプレーオフ圏内も見えてきた。「突破とクロスはJ1でも通用しなくもないと思うので、守備やビルドアップをもっと高めていきたい」。横浜育ちの23歳は上のステージを見据え、残り7試合に臨んでいく。

(取材・文 竹内達也)
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