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[関東]シーソーゲーム、「勝ち点1拾った」専修大に「勝ち点2を落とした」国士舘大

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専修大が追いついてドローゲームとなった

[10.7 関東大学L1部第15節 専修大3-3国士舘大 東京国際大G]

 関東大学サッカー1部の第15節が7日に行われた。東京国際大グラウンドで行われた第2試合では、専修大国士舘大が3-3で引き分けた。

 試合の入りでリズムを作ったのは国士舘大だった。特にMF明本考浩(3年=栃木ユース)が積極的に前線に顔を出してチャンスを作っていたが、得点にはならない。すると徐々に流れは専修大に傾いていく。

 そして前半19分だった。左サイドで相手のハンドによってFKを獲得すると、MF葛谷将平(4年=大津高)がゴール前に蹴る。ボールは一直線にゴールに向かったが、DF西村慧祐(3年=習志野高)が頭でコースを変えて流し込み、専修大に先制点が生まれる。

 さらに前半28分にGK桐林海生(3年=神戸U-18)の好セーブで失点を防いだ専修大は同33分、右サイドをスピード豊かに突破したFW中山克広(4年=麻布大附高)が狙いすましたクロスを入れると、ニアに走り込んだFW鈴木厚太(3年=飛龍高)が流し込む。前半を2点リードで折り返すことに成功した。

 しかし後半に入ると、流れが一変する。国士舘大は後半開始から関東1部リーグ初出場となるFW新井晴樹(2年=正智深谷高)を入れて変化を求めると、まずは後半17分にMF信末悠汰(4年=清水桜が丘高)が2試合連続ゴールを決める。イケイケムードを作ると、同28分にはMF近藤大貴(4年=東福岡高)の蹴ったFKを新井が合わせて同点。さらには同32分、PKを獲得するとFW大石竜平(4年=清水桜が丘高)がGKの逆を突き、一気に試合をひっくり返した。

 だが後半38分、専修大は国士舘大のイケイケムードを一瞬で断ち切る。ゴール前でFKを獲得すると、葛谷が右足で狙う。左隅に飛んだボールはGK岩渕航平(4年=千葉U-18)の手を弾いて、ゴールネットが揺れる。国士舘大の応援席の目の前だったが、瞬く間に静まり返った。

 シーソーゲームはドロー。ただ試合後の両軍の表情には違いがあった。「勝ち点1を拾った」と話したのは専修大の源平貴久監督。指揮官期待のMF笛田翔(3年=群馬U-18)やFW岸晃司(3年=川崎U-18)ら怪我人が出ていていることで、「宇宙戦艦ヤマトではなく、うちは小さな筏」と自軍を自虐的に表現したが、混戦となっているインカレ出場権争いのためにも、一致団結を促していた。

 一方、「勝ちたかった」試合、「勝ち点2を落とした」のが国士舘大だ。前期はわずか1勝、前節の流通経済大戦でようやく今季2勝目を挙げた国士舘大は、初の連勝となれば、奇跡の残留へ向けた機運をさらに高めることになっていたはずだ。今節は前節の勝利のゲンを担いで、サックスブルーのセカンドユニフォームを着用しての試合となっていたが、勝ち切ることは出来なかった。

「最後の失点に繋がったファウルを与えた場面も自分たちのミス。今年はあそこで我慢できない」と厳しく言い放ったのは大石。ただし下を向いてばかりはいられず、「前期までだったら0-2で負けていたと思う。後半逆転できたことは成長だと捉えたい。チームを降格させたくない」と諦めない姿勢を改めて強調していた。

(取材・文 児玉幸洋)
●第92回関東大学L特集

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