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[MOM561]桃山学院大MF徳永晃太郎(4年)_皆の『総力』を力に、後半ATの劇的FK弾

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桃山学院大MF徳永晃太郎

[10.7 第96回関西学生L後期第4節 桃山学院大2-1同志社大 J-GREEN堺メインフィールド]

 互いにゴールへの執念を見せる激しい展開となった試合の決着をつけたのは、桃山学院大MF徳永晃太郎(4年=立正大淞南高)の美しいFKだった。

「直接FKは狙いどおり。距離も近かったので、壁を越えて落とせば入ると思ってました。集中して蹴れてよかったです」と振り返る徳永。164cmと小柄だが、タフに中盤で相手ボールを奪い取り、正確なパスで味方の決定機を演出する、チームの要ともいえるプレイヤーだ。

 桃山大の松本直也監督は「献身的で、チームのために泥臭く運動量と球際の部分をやってくれている。サッカー部の中で、大人からも学生からも信頼される存在」とこの日のヒーローを評する。試合を振り返る映像ミーティングでは、MF今吉晃平(3年=ルーテル学院高)と協力して準備を進めたり、Iリーグでは誰よりも大声で仲間を応援したりとプレー以外のところでも、チームのために労を惜しまない。

 阪南大戦、そして同志社大戦と2試合連続アディショナルタイムで勝ち切ることができた背景には、悔しい経験を生かしたチームの成長がある。昨年は「あとひとつ」の勝利をつかめず、勝ち点3差でリーグ5位となり、インカレ出場権を獲得できなかった。この夏出場した総理大臣杯では、初戦で専修大に敗戦。「関東と対戦して差を感じた。前期リーグでも失点が多かったので、守備をしっかりやろうと総理大臣杯後に取り組んできた」という松本監督の言葉を、後期3試合で失点1という結果が裏付ける。

 しかし、徳永は「今年も自分たちが思っていることはまだできていない」と、気を緩めない。同志社戦についても「重心が後ろになって、積極性が出せず、前に強いという桃山の長所を出せなかった」と課題をあげる。

 2016年に松本監督が就任し、選手の主体性がより重んじられるようになった。うまくいかないこともとことん学生で話し合い、チームメートに対する理解を深まり、一人ひとりの責任感も増してきたという。ゲームキャプテンを任せられている副将の徳永も「主将の石津優介(4年=広島ユース)は、試合に出られていなくても、練習でいつもみんなを引っ張ってくれている。その姿を見ているので、自分は責任感を持って、ピッチで信頼に応えよう」という思いで試合に臨む。

 今年の桃山大のスローガンは『総力』。徳永は「その言葉を日ごろから全員でやろうというのが浸透していけば、もっと強くなれる」とチームの可能性を信じる。混戦のインカレ争いの中、桃山大も勝たなければいけない試合が続くが、皆の総力を自らのパワーにし、徳永がチームを勝利へと導く。

(取材・文 蟹江恭代)
●第96回関西学生リーグ特集

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