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中大杉並との好勝負制す!一昨年4強、昨年8強の東大和南は下級生中心の今年も「西が丘に行くのが第一目標」:東京

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前半26分、東大和南高MF岩瀬優太が右足で先制ゴール

[10.13 選手権東京都Aブロック予選1回戦 東大和南高 3-1 中大杉並高 駒沢2]

 第97回全国高校サッカー選手権東京都予選は13日、2次予選が開幕。Aブロック1回戦の東大和南高対中大杉並高戦は3-1で東大和南が勝った。

 一昨年度4強、昨年度も8強の“都立勢”東大和南が、目標の「西が丘」へ一歩前進した。東大和南は都8強へあと一歩にまで迫ったインターハイ予選後に3年生の大半が引退。この日のスタメンは全て1、2年生で構成されていた。

 立ち上がりはトップ下のMF横川巽(2年)のキープ力や鋭くDF間へ割って入る10番FW松沢充輝(2年)中心に押し込んだが、セカンドボールを拾って仕掛けに持ち込む中大杉並に徐々にペースを握られてしまう。中大杉並はCB栗原快(3年)やMF石田惇真(3年)の精度高いプレースキックやMF懸駿介(3年)の左足ミドルなどで相手ゴールを目指した。

 流れの悪い時間帯もあった東大和南だが、26分に先制点を奪う。中盤中央で攻撃に絡んだMF可児功志郎(2年)のスルーパスで抜け出したMF岩瀬優太(2年)が距離を詰めてきたGK、DFよりも一瞬速く右足のつま先でゴール。さらに東大和南は30分にも中央でボールをおさめた横川が左サイドへパスを送る。これを岩瀬が中央へ折り返すと、ボランチの位置から走り込んだMF四条雄介主将(2年)が1タッチでゴールへ沈めて2-0とした。

 中大杉並は2人替えした直後の37分に1点を返す。右サイド後方から栗原が蹴り込んだFKのこぼれからFW吉田遼平(3年)がシュート。跳ね返りに反応したMF東俊太朗(3年)が左足でゴールを破った。中大杉並はさらに後半4分、FW齋藤優宇(3年)が決定的なヘッドを放つも東大和南GK安田郁也(2年)がファインセーブ。だが、中大杉並も14分のピンチをGK岩橋紀和(3年)の好セーブで切り抜けるなど譲らない。

 互いがアグレッシブに攻め合い、決定機になるどうかの水際で凌ぐシーンが続いた好勝負。その中で東大和南は、2年前の都4強メンバーの兄と同じ公立校へ進学してきた右SB田中朝陽(2年)がスピードを活かした攻守で存在感を放つ。また、MF高橋直哉(2年)が後方から攻撃を組み立てながら3点目を狙った。

 一方、懸や石田、齋藤の仕掛けなどから反撃する中大杉並は、試合終了直前の後半40分にビッグチャンス。前線で身体を張ったパスが続き、最後は抜け出した1年生MF嵜原涼成が左足シュートを放つ。だが、これをGK安田のビッグセーブで凌いだ東大和南は43分、敵陣PAまで相手ボールを追った四条がスライディングシュートを決めて3-1。東大和南が苦しみながらも2回戦へ駒を進めた。

 東大和南の石川勝利監督は「初戦の硬さと2年生の若さが出てしまった」と指摘していたが、それでも「久しぶりに結果が出たので良かった」とホッとした表情。3年生で唯一チームに残って頑張ってきたFW渡辺拓実の出場機会を少しでも増やすという目標がチームにあることも口にしていた。

 現2年生は2年前に東大和南が準決勝へ進出し、味の素フィールド西が丘のピッチで躍動した姿を見て入学してきた世代だ。四条は「(準決勝が行われる)西が丘に行くのが第一の目標。3年生一人で2年生ばかりですけれども、来年にも繋がるので、しっかり勝ちにこだわっていく。西が丘は本気で狙っています」と力を込めた。面白い個が複数いるだけに、それがまとまってくれば面白い存在になりそう。2年生中心のメンバーで激戦区を勝ち上がって目標を達成するか、注目だ。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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