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55年ぶり、39年ぶりと歴史変えてきた立教新座、選手権は無念の初戦敗退:埼玉

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立教新座高のエースFW稲垣輝一主将は徹底マークを受ける中で必死にゴールを目指した

[10.14 選手権埼玉県2回戦 西武文理高 1-0 立教新座高 西武台高G]

 今年、歴史を塗り替えてきた選手たちの選手権予選は、わずか1試合で幕を下ろした。立教新座高は、関東大会予選で浦和東高や市立浦和高などの強豪校を連破して準優勝。55年ぶりとなる関東大会出場権を獲得し、インターハイ予選でも39年ぶりとなるベスト4進出を果たした。

 そして、全国出場を目指して臨んだ選手権予選。だが、大会直前にSB2人が負傷するアクシデントに見舞われてしまう。それでも、FW起用の準備をしてきた南口周矢(2年)を最終ラインに戻して戦った西武文理高戦は、CB南口やCB清水昭希(2年)が相手のパワフルな攻撃を跳ね返すなど前半を0-0で折り返した。

 MF渡邉佑(2年)とMF庭田直弥(2年)のドリブル突破などでチャンスも作った。だが、幅を使ったポゼッションで相手の守りを広げ、そこから切り崩す特長を十分に発揮することができない。前田和伸監督は「普段の60、70パーセントしか周りが見えなかった」。選手権は想定していた以上の緊張感。それでも、スコアレスのまま試合を進めた立教新座は、後半6分にエースFW稲垣輝一主将(3年)とFW細田翔太(3年)を同時投入して勝負に出る。

 MF新谷圭太(3年)の左足シュートなど相手ゴール前のシーンを増やし、後半25分には稲垣の左足FKがゴールマウスを直撃。だが、31分にCKから痛恨の失点を喫してしまう。この後、稲垣が徹底マークを振り切ってシュートを放ったほか、前線へ移った南口の高さを活かした攻撃から細田が抜け出すなど反撃したが、相手アタッカーに押し返されるなど1点を奪うことができず、0-1で初戦敗退が決まった。

 名門・武南高時代に選手権全国大会に出場している前田監督は「普段どおりにできないのが選手権。大事な選手権で勝たせてあげられなかったことは申し訳ない」と無念の表情。各選手が役割を理解し、勝ちながら自信をつけて各大会で躍進を果たしてきたが、選手権では結果を残すことができなかった。

 選手たちには感謝の思いしかない。指揮官は「ありがとう、という言葉を掛けたい」と語り、来年、再来年のある下級生にはより自立して成長することを期待していた。

(取材・文 吉田太郎)
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