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古巣柏を完封、名古屋DF中谷「大好きなクラブだなと思いながら」

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古巣戦に勝利したDF中谷進之介

[10.19 J1第30節 柏0-1名古屋 三協F柏]

「レイソルと残留争いはしたくなかった」。DF中谷進之介は複雑な思いを持って、古巣戦に臨んでいた。

 下部組織から柏レイソル一筋13年半を過ごした中谷だったが、今夏、名古屋グランパスへの完全移籍を決断。新天地ではすぐにDFラインの一角を任されると、最下位にあえいでいたチームを蘇らせた。

 そんな中で迎えた古巣戦。移籍したからには、いずれは対戦しなければいけない相手と分かっていたが、いざ三協フロンテア柏スタジアムに乗り込んでみると、試合前からいろいろな感情が湧き出てきたという。

「試合前にコーチとかとあいさつした時に泣きそうになっちゃった。そのくらいレイソルというクラブを、名古屋に行ってからも応援しているし、大好きなクラブだなと思いながらサッカーをすることが出来ました」

「(敵として公式戦を戦うのは)天皇杯で柏ユースでやって以来だった。アウェーのアップ場がこんな固いのも知らなかった。でもレイソルの応援歌を思い出しながらやっていて、アウェーという感じはなかったですけど、オルンガにやった(ファウルした)ときのブーイングは、これはアウェーだなと思いました(笑)」

 前節のFC東京戦で右SBの宮原和也が負傷した影響で急増3バックで臨んだ試合。サイドにスピードのある選手が多くいる柏を相手に序盤は劣勢を強いられたが、「試合やりつつ合わせて行く感じだった」と徐々に対応。「今日は何もしていない」と苦笑いだったが、「熱くなりすぎてもというのはあった。イエローカードも3枚貰っているので」と冷静な一面も出せた。

 試合後には尊敬する先輩であるDF鈴木大輔とユニフォームを交換。柏サポーターへのあいさつも行った。「そりゃブーイングされますけど、僕なりのあいさつは出来た。感謝しかないです」。

 勝負に徹しないといけない。それがプロの世界で生きるということ。しかし中谷は「順位は名古屋の方が上でもレイソルは残ってほしい。名古屋と一緒に残れればというのが僕の願い。俺が名古屋に移籍するころはここでこうやって試合をすると思っていなかった。来年はお互い高い位置で、まずは残留してからですけど、やりたいですね」と溢れる古巣への思いを抑えきれないといった様子で、元同僚へ向けエールを送っていた。

(取材・文 児玉幸洋)
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