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あと一歩で全国切符逃した夏の無念晴らし、歴史を変える!近大高専が「高専決戦」制して三重8強入り!

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全国出場を狙う近大高専が苦しみながらも三重8強入りを決めた

[10.20 選手権三重県予選3回戦 近大高専 1-1(PK4-2)鈴鹿高専 四日市中央工高G]

 三重8強を懸けた高専決戦は近大高専が制す! 20日、第97回全国高校サッカー選手権三重県予選3回戦が行われ、インターハイ予選3位の近大高専と鈴鹿高専が激突。1-1で突入したPK戦の末、4-2で勝った近大高専は27日の準々決勝で三重高と戦う。

 高専チームとして初の全国出場を目指す近大高専が苦しみながらも3回戦を突破した。前半36分にMF武山祥人(3年)のゴールで先制した近大高専だったが、後半13分にマークの受け渡しがズレてしまい、鈴鹿高専FW竹中輝(3年)に同点ゴールを決められてしまう。

 近大高専の亀井俊彦監督は「もっと相手を動かしながらやらないと。いっぱいいっぱいになってしまっていましたね」と苦笑する。前半の内容が悪く、個々が気持ちを引き締め直して後半のピッチに立ったが、単発な攻撃の連続。それぞれの責任感が強すぎたか、個々が一生懸命になってしまい、MF岡崎航大(3年)やCB田村斗真(2年)を中心にブロックをつくって守る相手を強引にこじ開けようとして跳ね返され、ミスも増えてしまっていた。

 23分にはMF古谷琉奇(2年)が切り返しから放った左足シュートと、こぼれ球を拾った左SB田中崇太郎(3年)の左足シュートが立て続けにゴールマウス直撃。35分にFW関鼓心(3年)の放った左足シュートもポストを叩いたほか、好セーブを連発する鈴鹿高専の長身GK出口太地(2年)の壁をなかなか破ることができなかった。

 田中は「前半1-0で折り返して、『やらなイカン』とベンチでみんななっていたんですけれども、まとまりが持てなくなって一人ひとりで打開するような感じなってしまった。自分としての内容も、チームの内容も課題がいっぱいあった」と首を振る。

 延長戦では押し込みながらも得点を奪えず、逆に鈴鹿高専のFW苔前敢太(3年)に右サイドを突破されるようなシーンもあった。近大高専は延長後半7分に迎えた決定機も鈴鹿高専GK出口がストップ。1-1のまま試合はPK戦に持ち込まれた。

 それでも、亀井監督が「普段から一生懸命やってくれているので、安心していました」というPK戦で近大高専は1人目のGK黒川純誉(3年)から田中、武山と成功。黒川が相手の2人目と3人目を連続して迎えた4人目、CB前田優希(3年)が右足でしっかりと決めて高専決戦を制した。

 近大高専は今春、地元開催のインターハイ切符2枚を懸けた三重県予選で3位。4校による決勝リーグ初戦で上野高に1-0で勝ち、続く第2戦は70分間で勝ちきれなかったものの、伊賀白鳳高にPK戦で勝利した。だが、三重高との最終節で0-5と大敗。2位から3位へ後退し、全国出場を逃している。

 行けるんじゃないか、という油断が招いた大敗。その悔しさを持っている近大高専は今回、準々決勝で三重に雪辱し、亀井監督の母校・四日市中央工高などを破って三重予選を突破するつもりでいる。

 田中は「インターハイであと一歩のところで逃してしまったので、選手権はしっかり勝ち続けて、決勝も勝って1チームに残って全国行って結果を残したい」と語り、黒川は「高専はまだ全国に出たことないし、大体ベスト8で負けていると思う。このベスト8の壁を乗り越えて準決勝、決勝も勝って全国に行きたいです。僕らにも全国に行く可能性、力はあると思う。頑張りたい」。まずは切り替えて準々決勝へ向けて最高の準備をすること。夏の悔しさもぶつけ、歴史にその名を刻む。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2018

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