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ぶっちぎるための駆け引き…大分FW藤本「ミスを誘うような感じだった」

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大分トリニータFW藤本憲明

[10.21 J2第38節 千葉2-4大分 フクアリ]

 自信があったというスピードでぶっちぎった。しかし、ただ抜け出したわけではない。大分トリニータFW藤本憲明は、自身の武器を生かすための駆け引きを直前に行っていた。

 1-1で迎えた前半16分だった。千葉の好機を阻止した仲間から前線の藤本へとロングボールが届けられる。マークについていたのは百戦錬磨のDF近藤直也だったが、片野坂知宏監督の言葉を借りれば「スピードでは藤本が上回れる」という相手。そのスピードを発揮するために、藤本は駆け引きに出る。

「ロングボールが入ったときに少し体を預けた。前で狙っていたと思うので、ちょっと足を出させてミスを誘うような感じだった」

 右足を伸ばした近藤はボールに触れることができずに体勢を崩すと、ボールを受けた藤本は一気に加速。「GKを確認しながらドリブルで運んでいたけど、後ろから追い掛けられているのは分かった」ものの、近藤の追走を許さずに左から右へとボールを運んでGK大野哲煥までをかわすと、無人のゴールに流し込んで勝ち越しゴールを記録した。

「落ち着いて決めることができた」という得点だけにはとどまらず、前半37分にはFW國分伸太郎の浮き球のパスから右サイドを抜け出し、「GKとディフェンスの間を狙っていた。味方が走っているのが見えたので、速いボールを送れば誰か触れると思った」と狙い通りのグラウンダーのクロスでFW三平和司の得点をお膳立てした。

 1得点1アシストの活躍でチームの4-2の快勝に貢献。「守備で疲れた部分もあったけど、1本のチャンスを決め切れたのが大きかった。来たチャンスを決め切ることは続けてやっていきたい」と残り4節でもチームに勝利をもたらすゴールを狙っていく。

(取材・文 折戸岳彦)
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